リトルドラマーボーイ
Little Drummer Boy

クリスマスソング/Harry Moses Simeone(1911-2005)

『リトルドラマーボーイ』は、1950年代後半のアメリカで大ヒットを記録したクリスマスソング。ベツレヘムでのキリスト降誕と東方の三博士による来訪の物語がベースとなっている。

作曲は、アメリカの女性教師・ピアニストのキャサリン・デーヴィス(Katherine Kennicott Davis/1892–1980)。1941年に作曲・発表された。

数多くのカバーが存在するが、オリジナルのハリー・サイムワン(Harry Moses Simeone/1911-2005)率いる合唱団(The Harry Simeone Chorale)のバージョンが特に広く知られている。

近年では、ケルティック・ウーマンによるクリスマスアルバム「クリスマス・セレブレーション」の中で、透明感のある『リトルドラマーボーイ』を楽しむことができる。

【試聴】リトルドラマーボーイ Little Drummer Boy

歌詞の意味・和訳(意訳)

Come they told me,
pa rum pum pum pum
A new born King to see,
pa rum pum pum pum

東方の三博士は言った
新たに生まれし王を拝みに参れと

(パ ラパパンパンはドラムの擬音。以下省略)

Our finest gifts we bring,
pa rum pum pum pum
To lay before the King,
pa rum pum pum pum,
rum pum pum pum,
rum pum pum pum,

東方の三博士が持参した
素晴らしい贈り物
王の御前に献上せん

So to honor Him,
pa rum pum pum pum,
When we come.

神の子を讃えるため
我らは来たれり

Little Baby,
pa rum pum pum pum
I am a poor boy too,
pa rum pum pum pum

幼な子イエス様
僕は貧しい者です

I have no gift to bring,
pa rum pum pum pum
That's fit to give the King,
pa rum pum pum pum,
rum pum pum pum,
rum pum pum pum,

持参する品もありません
王に捧げるべきものとして

Shall I play for you,
pa rum pum pum pum,
On my drum?

演奏を捧げてもよろしいでしょうか?
僕のドラムで

Mary nodded,
pa rum pum pum pum
The ox and lamb kept time,
pa rum pum pum pum

マリア様はうなずいた
牛と羊もリズムを合わせた

I played my drum for Him,
pa rum pum pum pum
I played my best for Him,
pa rum pum pum pum,
rum pum pum pum,
rum pum pum pum,

僕はドラムを演奏した
懸命に イエス様のため

Then He smiled at me,
pa rum pum pum pum
Me and my drum.

微笑むイエス様
僕と僕のドラムに

歌詞の裏側に隠されたストーリーとは?

『リトルドラマーボーイ』の歌詞の内容は、キリスト生誕を祝うお金のない貧しい少年が、ドラムを叩いて主にその音色を捧げたというもの。

これに良く似たストーリーとして、『ノートルダムのジャグラー(The Juggler of Notre Dame/Le jongleur de Notre Dame)』という12世紀頃からフランスに伝わる古い逸話がある。そのストーリーには様々なバリエーションが存在するが、代表的なものは次の通り。

フランス伝承"ノートルダムのジャグラー" あらすじ

舞台はパリのノートルダム大聖堂(下写真)。信心深いある修道士が、聖母マリアに何か捧げ物をしたいと考えたが、その貧しさゆえに何も用意することができなかった。

彼は思い悩んだ挙句、自分が唯一誇れる得意のジャグリング(日本のお手玉のような曲芸)をマリア像の前で披露した。

しかし彼は他の修道士達に神への冒涜だと非難されてしまう。その時、マリア像に本物の聖母マリアが光臨し、にっこりと微笑んで彼を祝福したという。

このストーリーは、1921年ノーベル文学賞を受賞したフランス人作家アナトール・フランス(Anatole France/1844-1924)の作品『Le jongleur de Notre Dame』(1892)によって広く紹介されたもの。

彼の代表作は『シルヴェストル・ボナールの罪』、『舞姫タイス』、『赤い百合』、『エピクロスの園』、『神々は渇く』など。芥川龍之介が傾倒していたことでも有名。

その後この逸話はオペラや他の書籍でも度々取り上げられ、クリスマスソング『リトルドラマーボーイ』も恐らく何らかの影響を受けていると思われる。

「少年は静かにドラムを叩き始めた。生まれ来たりしイエス・キリストに捧げるために・・・」

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