リトルドラマーボーイ
Little Drummer Boy

クリスマスソング/Harry Moses Simeone(1911-2005)

『リトルドラマーボーイ』は、50年代後半のアメリカで大ヒットを記録したクリスマスソング。賛美歌的な厳かさとテンポの良いマーチ・ドラムが絶妙なバランスで組み合わされた名曲。

数多くのカバーが存在するが、オリジナルのハリー・サイムワン(Harry Moses Simeone/1911-2005)率いる合唱団(The Harry Simeone Chorale)のバージョンが特に広く知られている。

近年では、ケルティック・ウーマンによるクリスマスアルバム「クリスマス・セレブレーション」の中で、透明感のある『リトルドラマーボーイ』を楽しむことができる。

歌詞の裏側に隠されたストーリーとは?

『リトルドラマーボーイ』の歌詞の内容は、キリスト生誕を祝うお金のない貧しい少年が、ドラムを叩いて主にその音色を捧げたというもの。

これに良く似たストーリーとして、『ノートルダムのジャグラー(The Juggler of Notre Dame/Le jongleur de Notre Dame)』という12世紀頃からフランスに伝わる古い逸話がある。そのストーリーには様々なバリエーションが存在するが、代表的なものは次の通り。

フランス伝承"ノートルダムのジャグラー" あらすじ

舞台はパリのノートルダム大聖堂(下写真)。信心深いある修道士が、聖母マリアに何か捧げ物をしたいと考えたが、その貧しさゆえに何も用意することができなかった。

彼は思い悩んだ挙句、自分が唯一誇れる得意のジャグリング(日本のお手玉のような曲芸)をマリア像の前で披露した。

しかし彼は他の修道士達に神への冒涜だと非難されてしまう。その時、マリア像に本物の聖母マリアが光臨し、にっこりと微笑んで彼を祝福したという。

このストーリーは、1921年ノーベル文学賞を受賞したフランス人作家アナトール・フランス(Anatole France/1844-1924)の作品『Le jongleur de Notre Dame』(1892)によって広く紹介されたもの。

彼の代表作は『シルヴェストル・ボナールの罪』、『舞姫タイス』、『赤い百合』、『エピクロスの園』、『神々は渇く』など。芥川龍之介が傾倒していたことでも有名。

その後この逸話はオペラや他の書籍でも度々取り上げられ、クリスマスソング『リトルドラマーボーイ』も恐らく何らかの影響を受けていると思われる。

「少年は静かにドラムを叩き始めた。生まれ来たりしイエス・キリストに捧げるために・・・」

ジャクソン5 Little Drummer Boy

クリスマスアルバム「20th Century Masters - The Christmas Collection:」より

ヘイリー リトル・ドラマー・ボーイ

クリスマスアルバム「冬の輝き~恋人たちのピュア・ヴォイス」より

ウィーン少年合唱団『Little Drummer Boy』

【試聴】リトルドラマーボーイ Little Drummer Boy

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