おおスザンナ

スティーブン・フォスター作詞作曲
Stephen Collins Foster/1826-1864

ゴールドラッシュで大流行! ~西部開拓時代のテーマソング~

  「おお、スザンナ(Oh Susanna)」は、フォスターが22歳頃の1848年に出版された曲。1846年~1848年に起こったアメリカ・スペイン戦争において、アメリカは現在のテキサス、カリフォルニア、ニューメキシコ、ユタなどの多くの領土をメキシコから獲得する。

 そのメキシコ戦争が終結してから間もない1848年の初め頃、獲得したばかりのカリフォルニアで金鉱が発見され、有名なゴールドラッシュの時代がはじまった。誰もが一攫千金を夢見てはるばる西部へと荒野を幌馬車隊で長旅を続ける中、その道のりで「おお、スザンナ」が多くの人々によって愛唱され、フォスターの曲はまたたく間にアメリカ中の人々に知られることになった(フォスターが作曲したことはあまり知られていなかった?)。

どしゃ降りだけれど乾燥してて、晴れているけど凍え死ぬ?

 「おおスザンナ」の歌詞の中には、まるでマザーグースのようなナンセンスでコミカルな部分がいくつか見られる。フォスターがこの曲を作ったのは彼がまだ10代半ばの頃で、親しい仲間同士で楽しく騒ぐために彼が即興的に「おおスザンナ」を作曲したと伝えられている。

 気心の知れた仲間内で陽気なメロディーとともにナンセンスな詩を歌って浮かれて騒いでいる様子がまるで目に浮かぶようだ。特に2番の歌詞は子供っぽい意味不明な歌詞で、日本ならよく小学生が歌っていそうなレベルのナンセンスな歌詞となっている。

オリジナルは3番まで。ただ同然で仕入れた出版社は大儲け!

 シンシナティのピータース出版(W.C. Peters & Co., Cincinnati, 1848)から1848年に出版されたオリジナルの楽譜によれば、歌詞は3番までで、タイトルも単に「スザンナ(Susanna)」となっている。たまに4番目の歌詞が掲載されているのを見かけるが、誰が作詞したのかは明らかではない。

 なお、「おおスザンナ」は作曲者自身(フォスター)がタダ同然の扱いで出版社に曲を提供してしまったせいか、数年間で様々な出版社から様々なバージョンのものが相次いで(断りなく)出版されたようで、しかもフォスター自身は最初のピータース出版社からの100ドルしか手にしていないとされている。もしフォスターがこの曲でそれなりの収入を獲得していたら、その後の生活も余裕ができ、もっと長生きして良い作品がたくさん生まれていたのではないかと思うと残念でならない。

「スザンナ」といえばスティーブンのお姉さん

 この「おお、スザンナ」のモデルとなっているわけではないようだが、「スザンナ」といえば、スティーブンの17歳上のお姉さん「シャルロット・スザンナ・フォスター」が思い出される(「フォスターの家族」参照)。

 彼女は父ウィリアム・バークレー・フォスター<William Barclay Foster, Sr>. と母エライザ・クレイランド・トムリンソン<Eliza Clayland Tomlinson Foster>の間に2番目の子供として1809年に生まれた(スティーブンは9番目)。彼女の前にも女の子が生まれているが夭逝してしまったため、シャルロットがスティーブンの兄弟の一番上のお姉さんということになる。

 彼女は小さい頃から修道会系スクールでお嬢様教育を施されており、フォスター家の財政状況が悪化さえしなければそれなりの社交界デビューも目ではなかったようだ。彼女は、様々なお金持ちの子息から数々の求婚を受けていたにも関わらず、それを断り続けていたと伝えられている。1829年の秋、スティーブンが3歳の時に熱病(マラリア?)が原因で20歳の若さでこの世を去っている。

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<注:歌詞は1848年当時のオリジナル版に忠実に掲載しています>

I come from Alabama with my Banjo on my knee
I'se gwine to Lou'siana my true lub for to see.
It rain'd all night de day I left, de wedder it was dry;
The sun so hot I froze to def -- Susanna, don't you cry.

俺はバンジョーを膝にアラバマからやって来た
ルイジアナにいる恋人を探しにいくんだ
出発した日は一日中雨だけど乾燥していて
晴れて暑かったけど凍え死にそうだった
スザンナ、泣かないでおくれ

chorus:
Oh! Susanna, do not cry for me;
I come from Alabama,
Wid my Banjo on my knee.

<コーラス>

おおスザンナ、泣かないでおくれ
俺はバンジョーを膝にアラバマからやって来た

2
I jump'd aboard the telegraph and trabbled down de ribber,
De lectrick fluid magnified, and kill'd five hundred Nigga.
De bulgine bust and de hoss ran off, I really thought I'd die;
I shut my eyes to hold my bref--Susanna don't you cry.

俺は電信機に乗って川を下り
電流を上げて500人の○○を○○した
エンジンが爆発して馬が走り出し 本当に死ぬかと思ったよ
息を止めて目を閉じた スザンナ、泣かないでおくれ

<注:○○部分はあえて訳を割愛>

chorus:

3
I had a dream de udder night, when ebry ting was still;
I thought I saw Susanna dear, coming down de hill,
De buckwheat cake was in her mouf, de tear was in her eye,
I says, I'se coming from de souf, --Susanna don't you cry.

昨日の夜に夢を見た みんなが寝静まった頃に
愛しいスザンナが出てきて 丘を駆け下りて来たんだ
彼女はソバ粉のパンケーキをくわえて 目には涙がたまってた
そうさ、俺は南から来たんだ、スザンナ、泣かないでおくれ

chorus:

注:上の歌詞はLouisville, KY: W. C. Peters, 1848版を掲載。

以下は後に付け加えられたとされる4番の歌詞。

4
I soon will be in New Orleans, and den I'll look all 'round,
And when I find Susanna, I'll fall upon de ground.
But if I do not find her, dis darkie'll surely die,
And when I'm dead and buried, Susanna, don't you cry.

俺はもうすぐニューオリンズに着き、あたりを探すだろう。
もしスザンナが見つかったら、俺は地面に倒れるよ。
もし彼女が見つからなかったら、この老いぼれは間違いなくあの世生きだ。
そして俺が死んで埋められても、スザンナ、泣かないでおくれ

chorus:

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