金髪のジェニー

スティーブン・フォスター作詞作曲
Stephen Collins Foster/1826-1864

結婚して3~4年後の曲なのに・・・

 「金髪のジェニー(Jeanie with the light brown hair )」が発表されたのは、彼がこの曲のモデルである幼なじみの「ジェーン<Jane Denny MacDowell>と結婚(1850年)した3~4年後のこと。結婚して翌年(1851年)には長女マリアンも誕生している。

 結婚してから数年後の歌だというのに、何故か歌の内容は別れた彼女への未練ばかり・・・。「金髪のジェニー」が実際の奥さんを意味しているとすれば、この頃既に夫フォスターと妻ジェーンは不仲になっていたのではないか?この辺の事情についてはフォスター特集「結婚生活」のページで。

ヒットしたのは1940年代になってから?!

 「金髪のジェニー」が多くの人に受け入れられるようになったのは1940年代以降のことで、フォスターが生きていた時代にはこの曲はあまり売れていなかったと伝えられている。

 なぜ1940年代なのかというと、アメリカではちょうどその頃にラジオ局とASCAP(アメリカのJASRACのような著作権管理団体)との間で著作権をめぐる激しい争いがあり、ASCAPが管理していないパブリック・ドメイン(簡単に言えば著作権フリー)の曲をラジオ局がいやみのようにかけまくり、その時に「金髪のジェニー」がよく流れていて人気が出たらしい。

 ASCAPとラジオ局の争いといえば近年も形を変えて激しく行われているようだが、こういう争いの中から過去の名曲が発掘されるとはなかなか面白いエピソードである(参照:「Doo-Dah : Stephen Foster and the Rise of American Popular Culture」)。

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I dream of Jeanie with the light brown hair,
Borne, like a vapor, on the summer air;
I see her tripping where the bright streams play,
Happy as the daisies that dance on her way.

明るい茶色の髪のジニーの夢を見る
夏の日の空気の中に漂う霞のような
目映くきらめく小川で軽やかに舞う彼女
揺れるヒナギクのように幸せそうに

Many were the wild notes her merry voice would pour,
Many were the blithe birds that warbled them o'er:
Oh! I dream of Jeanie with the light brown hair,
Floating, like a vapor, on the soft summer air.

楽しげな歌声からこぼれる幾多の調べに
小鳥たちも陽気にさえずり応える
明るい茶色の髪のジニーの夢を見る
夏の日の空気の中に漂う霞のような

2
long for Jeanie with the daydawn smile,
Radiant in gladness, warm with winning guile;
I hear her melodies, like joys gone by,
Sighing round my heart o'er the fond hopes that die

夜明けのジニーの笑顔に思い焦がれる
喜びに満ち溢れ、いたずらっぽさも愛嬌があり温かい
過ぎ去りし喜びのような、彼女のメロディー
叶わなかった甘い期待にため息をつくばかり

Sighing like the night wind and sobbing like the rain
Wailing for the lost one that comes not again:
Oh! I long for Jeanie, and my heart bows low,
Never more to find her where the bright waters flow.

夜ごとため息をつき、雨の日にはむせび泣く
二度と戻らないものを待ち続けながら
ジニーを思い 我が心は低くこうべを垂れるが
輝くせせらぎに彼女の姿を見ることはもうない

3
I sigh for Jeanie, but her light form strayed
Far from the fond hearts round her native glade;
Her smiles have vanished and her sweet songs flown,
Flitting like the dreams that have cheered us and gone.

ジニーを思いため息をつくが、彼女の面影が彷徨うばかり
彼女が生まれた地の優しき人々から離れ
微笑みは消え去り、甘い歌声も空に消えていった
かつて私たちを楽しませ消えていった夢が頭をよぎる

Now the nodding wild flowers may wither on the shore
While her gentle fingers will cull them no more:
Oh! I sigh for Jeanie with the light brown hair,
Floating, like a vapor, on the soft summer air.

岸辺の野生の花々は枯れ
彼女の優しい手に摘まれることはもうない
明るい茶色の髪のジニーを思いため息をつく
夏の日の空気の中に漂う霞のような

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