線路はつづくよどこまでも 歌詞の意味・和訳

日本語歌詞は二つあった? 原曲の歌詞の意味・ルーツに迫る

『線路はつづくよどこまでも』は、19世紀アメリカの鉄道建設者らに流行した『I've been Working on the Railroad』(アイヴ・ビーン・ワーキング・オン・ザ・レイルロード)を原曲とする日本の歌。

別の日本語歌詞としては、フォスター歌曲の訳詞で知られる津川主一(つがわしゅいち)による『線路の仕事』がある。

このページでは、原曲の英語の歌詞、日本語の歌詞『線路はつづくよどこまでも』、そして『線路の仕事』の3つについて、その内容を簡単に比較してみたい。

さらに、原曲の『I've been Working on the Railroad』について、曲や歌詞のルーツ・発祥や由来などについて、簡単にまとめてみたい。

ちなみに、『線路はつづくよどこまでも』のメロディに別の日本語歌詞をつけた替え歌としては、キャンプや野外活動・レクリエーションなどで歌われる『ごはんだごはんだ』が知られている。歌い出しの歌詞は「ごはんだごはんだ さぁ食べよう♪」。

【試聴】I've been Working on the Railroad

原曲の歌詞・和訳(意訳)

I've been working on the railroad
All the livelong day
I've been working on the railroad
Just to pass the time away

おいらは線路工事で働いてる
朝から晩まで
おいらは線路工事で働いてる
あっという間に時間が過ぎてく

Can't you hear the whistle blowing
Rise up so early in the morn
Can't you hear the captain shouting
Dinah, blow your horn

聞こえるかい? 汽笛が鳴ってる
こんなに朝早く起こされるんだ
聞こえるかい? 親方が叫んでる
「ダイナ、汽笛を鳴らせ!」

Dinah, won't you blow
Dinah, won't you blow
Dinah, won't you blow your horn

Dinah, won't you blow
Dinah, won't you blow
Dinah, won't you blow your horn

ダイナ 汽笛を鳴らしてくれ
ダイナ 汽笛を鳴らしてくれ

Someone's in the kitchen with Dinah
Someone's in the kitchen I know
Someone's in the kitchen with Dinah
Strumming on the old banjo, and singing

誰かがダイナとキッチンにいる
バンジョー鳴らして歌ってる

Fie, fi, fiddly i o
Fie, fi, fiddly i o
Fie, fi, fiddly i o
Strumming on the old banjo
フィ・ファイ・フィドリ・アイ・オー
バンジョーかき鳴らしながら

原曲は3つの曲が合体

実は、原曲『I've been working on the railroad』は、3つの別の曲が合体した楽曲となっている。

前半

前半は、19世紀前半にアフリカ系アメリカ人労働者らが南部で堤防工事の際に歌っていた『Levee Song』(レヴィーズ・ソング/堤防の歌)が原曲。

現在とはメロディが結構違っていたが、1846年に発表されたスッペ『詩人と農夫』序曲の影響を受けて、現在のメロディになっていったという。

中間・コーラス

中間・コーラス「Dinah, won't you blow」のくだりは、ピート・シーガー(Pete Seeger)が19633年にリリースしたレコードのライナーノーツによれば、この中間部は近年にアメリカの大学生らによって追加されたと解説されている。

後半

後半「Someone's in the kitchen」の部分については、1830年代または1840年代にロンドンで出版された『Somebody in the House with Dinah』(サムバディ・イン・ザ・ハウス・ウィズ・ダイナ)の歌詞が用いられている。

流用されたのは「歌詞」だけで、メロディについては、1847年に発表された楽曲『Goodnight, Ladies』(グッドナイト・レイディーズ)の影響を受けているようだ。

日本語の歌詞

有名な日本語の歌詞『線路はつづくよどこまでも』は、NHK「みんなのうた」で1962年に初回放送された際に用いられたもの。

作詞は、NHK「みんなのうた」二代目ディレクターを務めた後藤田純生。「佐木敏(さき・とし)」のペンネーム(別名義)が用いられている。

この日本語歌詞は、原曲の英語の歌詞をどの程度反映した内容となっているのだろうか?次のとおり引用して内容を確認してみよう。

線路はつづくよ どこまでも
野をこえ 山こえ 谷こえて
はるかな町まで ぼくたちの
たのしい旅の夢 つないでる

線路はうたうよ いつまでも
列車のひびきを 追いかけて
リズムにあわせて ぼくたちも
たのしい旅の歌 うたおうよ

ランラ ランラ ランラ
ランラ ランラ ランラ…

原曲は、線路を敷く工事現場で働いている労働者の視点から描写されているが、この日本語歌詞では、原曲の「労働者」という要素は完全に除去され、列車の旅における乗客の視点から「楽しい旅」を夢見てる様子が描かれている。

ちなみにこの日本語歌詞は、NHK教育テレビ「できるかな」で20年以上「ノッポさん」のキャラクターを務めた高見 嘉明(高見映/高見のっぽ)が原案を考えたという。

ノッポさんによる原案を元に、佐木敏(後藤田純生)らNHK「みんなのうた」の番組スタッフの共同作業により現在の歌詞に整えられていったようだ。

津川主一『線路の仕事』

NHK「みんなのうた」で『線路はつづくよどこまでも』が放送される7年前の1955年、フォスター歌曲の訳詞で知られる津川主一(つがわしゅいち)による訳詞『線路の仕事』が発表された。

この歌詞は、『線路はつづくよどこまでも』と比べてどのような違いがあるのだろうか?『線路の仕事』を次のとおり引用して、その内容を比較してみよう。

1.
線路の仕事は いつまでも
線路の仕事は はてがない
汽笛のひびきが 鳴り渡れば
親方はさけぶ ふきならせ

2.
つらい仕事でも しまいには
つらい仕事でも はてが来る
汽笛のひびきが 鳴り渡れば
つるはしをおいて 息絶える

曲名からも明らかなように、『線路はつづくよどこまでも』では一切触れられなかった「仕事・労働」という原曲の要素がしっかりと訳出されているのがわかる。

二番の歌詞については、原曲の歌詞にはない鉄道線路工事の過酷さが描写されている。ちょっと怖い締めくくり方になっており、明るく陽気なメロディとのギャップがその怖さを一層引き立てているように感じられる。

アメリカ大陸横断鉄道について

『線路はつづくよどこまでも』の原曲『I've been Working on the Railroad』は、19世紀アメリカにおける大陸横断鉄道の建設労働者らによって歌われた楽曲。このアメリカ大陸横断鉄道の歴史について簡単に触れておきたい。

アメリカ大陸横断鉄道 1869年の開通記念式典

写真:大陸横断鉄道 1869年の開通記念式典(出典:Wikipedia)

アメリカ国内で南北戦争が繰り広げられていた1862年7月、アメリカ連邦議会により大陸横断鉄道の建設許可が下りた。工事を請け負ったのは、ユニオン・パシフィック鉄道とセントラル・パシフィック鉄道。

ところが、南北戦争中でアメリカ国内の成人男性は皆戦場へ。不足する労働力をまかなうため、大量の中国人・アイルランド移民が採用された。

シェラネバダ山脈の厳しい地形と気候の前に、数多くの労働者の命が失われていった。

1869年5月10日、東のユニオン・パシフィック鉄道と、西のセントラル・パシフィック鉄道が、ユタ州のプロモントリーでドッキングし、初の大陸横断鉄道が開通した。

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