『朧月夜(おぼろづきよ)』とは、1914(大正3)年『尋常小学唱歌 第六学年用』に初めて掲載された日本の歌。
朧月夜(おぼろづきよ、おぼろづくよ)とは、春の夜に月がほのかに霞んでいる情景を指す季語。
岡野と高野の作詞作曲コンビで生まれた唱歌といえば、「朧月夜(おぼろづきよ)」の他に、「故郷(ふるさと)」、「春が来た」、「春の小川」、「紅葉(もみじ)」などがあり、いずれも今日まで歌い継がれている名曲ばかり。
作曲者の岡野は鳥取県鳥取市出身で、14歳の時にキリスト教の洗礼を受けたクリスチャン。岡山の教会で宣教師からオルガンの演奏法を習い、更に東京音楽学校(現在の東京芸術大学)に入学後、西洋音楽の理論と技術を深めていった。
後には同校の教授を務め、音楽教育の指導者の育成に尽力するとともに、敬虔なクリスチャンとして毎週教会のオルガニストを務めた。「故郷(ふるさと)」や「朧月夜(おぼろづきよ)」など、岡野の作品には賛美歌の影響を強く受けたと思われる3拍子のリズムを用いた旋律が数多く見られる。
菜の花畠(ばたけ)に 入り日薄れ
見わたす山の端(は) 霞(かすみ)ふかし
春風そよふく 空を見れば
夕月(ゆうづき)かかりて におい淡(あわ)し
里わの火影(ほかげ)も 森の色も
田中の小路(こみち)を たどる人も
蛙(かわず)のなくねも かねの音も
さながら霞(かす)める 朧(おぼろ)月夜