春の小川
文部省唱歌

春の小川はさらさら行くよ ~代々木公園の西側を流れし河骨川の情景とは?~

現在の河骨川 『春の小川』は、高野辰之岡野貞一のコンビによる1912年発表の文部省唱歌。

 高野辰之が当時住んでいた東京府豊多摩郡代々幡村(現在の渋谷区代々木)周辺を流れる河骨川の情景を歌ったものとされている。

高野辰之と岡野貞一の作品としては、『故郷(ふるさと)』、『春が来た』、『朧月夜(おぼろづきよ)』、『紅葉(もみじ)』などが特に有名。

 河骨川は宇田川の上流にあたり、小田急線の代々木八幡駅付近の線路沿いには、『春の小川』の歌碑が建てられている(左写真:現在の河骨川付近と歌碑/2007年6月撮影/別角度の歌碑の写真はこちら)。

 現在、河骨川や宇田川のほとんどはフタが閉まった状態の暗渠(あんきょ)となっている。地面の下の宇田川は、井の頭通りの道路の下を流れ、渋谷駅東口の北側で渋谷川に合流する。ウォーキングなどで、代々木八幡駅付近からNHK放送センター、井の頭通り、渋谷駅周辺への「春の小川」探検をしてみると面白いかもしれない。

デパ地下がない渋谷の某百貨店と春の小川の意外な関係とは?

 渋谷東急百貨店東横店の東館には、何故か百貨店にツキモノのいわゆる『デパ地下』がない。

 これは、春の小川の流れをくむ宇田川の支流である渋谷川が地下に流れているためだ。地上に百貨店がある川は、日本広しと言えど渋谷川だけだろう。

 また、西武百貨店渋谷店のA館とB館の間には、複数の連絡橋があるが地下連絡通路がない。

 これは、A館とB館を隔てる井の頭通りの下に、コンクリートの蓋で暗渠(あんきょ)化された宇田川が流れているからだ(左写真:西武百貨店渋谷店A館とB館)。

 コンクリートに囲まれて下水道と化した宇田川は、もはや自然の「川」の面影はどこにもない。さらさらと流れていた春の小川の流れは、皮肉にもその上を慌しく行き交う人の流れに取って代わられてしまったようだ。

 ちなみに、渋谷川をずっとさかのぼっていくと、あの新宿御苑に辿り着くという。新宿御苑の園内には玉藻池という池があり、そこから湧き出る水が渋谷川の流れを生み出しているらしい。

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歌詞

春の小川は さらさら行くよ
岸のすみれや れんげの花に
すがたやさしく 色うつくしく
咲けよ咲けよと ささやきながら

春の小川は さらさら行くよ
えびやめだかや 小ぶなのむれに
今日も一日 ひなたでおよぎ
遊べ遊べと ささやきながら

 
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