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| 『とおりゃんせ』の舞台とされる埼玉県川越市の三芳野神社(出典:Wikipedia) |
『とおりゃんせ(通りゃんせ)』は、江戸時代から伝わるわらべうた。
青信号のメロディでもよく使われていたが、わらべうた『かごめかごめ』と同じく、歌詞の解釈を巡ってミステリー的な謎が多く、ある種不気味ともいえる独特の雰囲気を持った童謡の一つだ。
元々は子供の古い遊び歌だ。向かい合った二人の子供がアーチを作り、その下を他の子供達が列を作ってくぐっていく。
その間、『とおりゃんせ』を最初から歌っていき、歌の終わりにアーチがおりて、その下にいた子供がつかまるというゲームだ。イギリス民謡『ロンドン橋』も似たような遊び方ができる。
歌詞の内容を見ると、神社の境内へと続く細道が登場する。「天神さま」とあるのは、平安時代の学問の神「菅原 道真(すがわらのみちざね/845-903)」の事だろうか。一説によれば、『とおりゃんせ』の舞台は、埼玉県川越市の三芳野神社(みよしのじんじゃ)とされているらしい。三芳野神社でも菅原道真が祭られているとのこと。
三芳野神社は昔、川越城の城郭内に移されたため、「お城の天神さま」と呼ばれていたそうだ。お城の中なので、一般庶民は気軽に参拝できなくなり、時間も限られ、見張りの兵士も付けられた。特に、他国の密偵(スパイ)が城内に紛れ込むことを防ぐため、帰っていく参拝客に対して見張りの兵士が厳しく監視をしたという。これが「行きはよいよい 帰りはこわい」の由来となっているとのことだ。
なお、「こわい」は単に「疲れた」の意味の方言だとする説もある。確かに、「こわい」を「怖い」と解釈すると、行きは怖くないのかな?という素朴な疑問が生じる。「御用のないもの通しゃせぬ」なんて歌詞がわざわざ付けられていることを考えると、どうやら怖いのは帰りだけではなさそうだ。
三芳野神社でのエピソードを前提にすれば、最初に見張り役の門番に事情を説明して境内に入らせてもらう時の方が結構「こわい」気がする。理由を疑われて捕まったりしたら大変だ。こんな状況では、入る前にかなり気疲れしてしまいそうだ。そう考えると、行きもかなり「こわい(疲れた)」かも・・・。
このように、色々想像を膨らませて楽しむことができるのが、童謡のいいところだ。神隠しや埋蔵金伝説などのミステリーの視点から探ってみるのも非常に面白い。今後もあっと驚くような解釈が登場することを心待ちにしたい。
【参考文献】 童謡の謎―案外、知らずに歌ってた
通りゃんせ 通りゃんせ
ここはどこの 細通じゃ
天神さまの 細道じゃ
ちっと通して 下しゃんせ
御用のないもの 通しゃせぬ
この子の七つの お祝いに
お札を納めに まいります
行きはよいよい 帰りはこわい
こわいながらも
通りゃんせ 通りゃんせ
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