赤いサラファン 歌詞の意味・和訳

まだ結婚なんてイヤ! 若い娘を諭す母の思い

『赤いサラファン』(Красный сарафан)は、1830年代に出版されたロシア歌曲

日本では、「赤いサラファン 縫うてみても 楽しいあの日は 帰りゃせぬ」が歌い出しの訳詞が有名(詳細は後述)。

サラファン(сарафан)とは、ロシアの女性がブラウスの上に着るロシアの民族衣装。ジャンパースカートに似ている。

歌詞では、娘の婚礼衣装として赤いサラファンを縫う母親と、まだ結婚なんてまったく興味が無い娘が登場する。

若さに溢れ楽しくはしゃいでいられるのは、人生のほんの僅かな時間。そんな現実を自分の娘に切々と説く母親と、聞く耳を持たない若い娘との掛け合いが面白い。

作曲:アレクサンドル・ワルラーモフ(Aleksandr Yegorovich Varlamov/1801-1848)、作詞:ニコライ・ツィガーノフ(Nikolay Tsyganov/1797?-1832?) 。

【試聴】赤いサラファン

歌詞の意味・日本語訳(意訳)

Не шей ты мне, матушка,
красный сарафан,
не входи, родимая,
попусту в изъян.

Рано мою косыньку
на две расплетать,
прикажи мне русую
в ленту убирать!

Пущай не покрытая
шелковой фатой
очи молодецкие
Радует собой!

<1番:娘のセリフ>

赤いサラファンなんて縫わないで お母さん
そんなに手間かけたって無駄よ

髪を2本に編み分けるのはまだ早いわ
まだリボンを飾っていたいの

絹のベールなんてしたら
男の子から相手にされなくなっちゃう

То ли житье девичье,
чтоб его менять,
торопиться замужем
охать да вздыхать?

Золотая волюшка
мне милей всего.
Не хочу я с волюшкой
в свете ничего!`

今の生活をまだ手放したくないわ
焦って結婚しても後悔するだけ

一番大事なのは自由よ
何ものにも代えられないわ

,,Дитя моё, дитятко,
дочка милая!
Головка победная,
неразумная!

Не век тебе пташечкой
звонко распевать,
легкокрылой бабочкой
по цветам порхать.

Заблекнут на щеченьках
маковы цветы,
прискучат забавушки,
стоскуешься ты!

<2番:母親のセリフ>

愛しい我が娘よ!
何て浅はかなんでしょう!

お前は一生小鳥のように
歌って過ごすつもりかい?
花々に舞うチョウチョじゃないんだから

どんな美しい花々もやがては色あせ
楽しかった遊びも次第に退屈になるんだよ

А мы и при старости
себя веселим,
младость вспоминаючи,
на детей глядим!

И я молодешенька
была такова,
и мне те же в девушках
пелися слова.

子供達を眺めながら
昔の思い出に心を馳せる
年を取っても楽しいことはたくさんある

私も若い頃は 貴方と同じだったわ

フォスター歌曲の津川氏が訳詞

日本では、津川主一(つがわ しゅいち)氏による訳詩が有名。津川氏の訳では、娘のセリフが登場する原詩の1番の歌詞はカットされ、お母さんのセリフが続く2番の歌詞のみが取り上げられている。

赤いサラファン縫うてみても
楽しいあの日は帰りゃせぬ

たとえ若い娘じゃとて
何でその日が長かろう
燃えるようなその頬も
今にごらん 色あせる

その時きっと思い当たる
笑(わろ)たりしないで母さんの
言っとく言葉をよくお聞き

とは言え サラファン縫うていると
お前といっしょに若返る

<引用:津川主一『赤いサラファン』歌詞より>

津川氏が訳した外国歌曲は、「赤いサラファン」以外にも、「夢路より」「おおスザンナ」といったフォスターの歌曲の他、「シェナンドー(アメリカ民謡)」「ロンドンデリーの歌(イギリス民謡)」」など数多く存在する。

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