ビスタ(フリー・フライ・フロー)歌詞と解説

キャンプソング・スカウトソング

「♪クンムラッタ クンムラッタ♪」と意味不明な歌詞がユニークなキャンプソング『ビスタ(ヴィスタ)』。

英語のタイトルでは、冒頭の歌詞から、『Flea, Fly, Flo』(フリー・フライ・フロー)、『Flee, Fly, Flow』などと表記されることがある。

1960年代のアメリカにおいて、学校やボーイスカウト、ガールスカウトなどの野外活動を通じて爆発的に広まったレクリエーションソングだ。

歌のジャンルとしては、アメリカ民謡『森のくまさん』と同じく、一人のリーダーが先に歌って、残りの大勢が後に続く「エコーソング」または「リピート・アフター・ミー・ソング」の一種と言える。

【YouTube】 Coma-La-Vista / Janice & the Little People (1964)

ビスタ 歌詞の一例

Flea
Flea fly
Flea fly flo
vista

フリー
フリーフライ
フリーフライフロー
ビスタ(ヴィスタ)

Cumala, cumala, cumala vista
Oh no no no no da vista

クマラ クマラ クマラ ビスタ
オー ノノノノ ダ ビスタ

Eeney meaney decimeaney ooh wala wala meaney
ex a meaney sal a meaney ooh wala wa

イーニーミニ ディスィミニ オーワラワラミニ
エクサミニ サラミニ オーワラワ

Beat biddley oten doten bobo da beeten doten Shhhhht.

ビービディ オートゥンドートゥン
ボボ ダ ビートゥン ドートゥン シーッ

アメリカでの曲名や歌詞について

アメリカでは、歌詞の一部から「Coma La Vista」、「Cumala vista」、「Flea, Fly, Flo(フリー・フライ・フロー)」、「Flee, Fly, Flow」、「Mama Lama」などの曲名が見られる。口承により広まったキャンプソングなので確定的なタイトル表記はないようだ。

歌詞についても様々なバリエーションがあり、元々その大部分は意味不明なナンセンス・ソングだが、近年ではノミ(英語でFlea)や蚊を殺虫スプレーで追い払うという子供に分かりやすいストーリーがつけられることもあるようだ。

ちなみに、「フリー・フライ・フロー」と似た発音の有名なフレーズとして、イギリス童話「ジャックと豆の木」で巨人が口ずさむ「フィー・ファイ・フォー・ファン Fee Fi Fo Fum」がある。比較してみると面白いかもしれない。

日本ではテレビ番組で拡散

お笑いコンビ「ハリセンボン」の近藤春菜は、学生の頃ガールスカウトに所属していた時期があったようで、当時覚えた『ビスタ』をネタ的にテレビ番組で披露したところ、意味不明な歌詞と無表情の振付のシュールさが話題となり、2016年頃を中心に日本でも若者を中心に同曲が広く知られることとなった。

【近藤春菜版『ビスタ』の歌詞】

フリー
フリーフライ
フリーフライフロー

クンムラッタ クンムラッタ クンムラッタ ビスタ
クンムラッタ クンムラッタ クンムラッタ ビスタ

オーノノーノノース ビスタ
オーノノーノノース ビスタ

イグザミニ ゾラミニ ウワーラ ワラミニ
イグザミニ ゾラミニ ウワーラ ワラミニ

ビッビカ オンドレ ビビッカ オンドレ シー

原曲のアメリカ版でもかなり意味不明だが、それを日本語のカタカナで発音することにより、いよいよ曲全体が呪文や儀式のような謎の面白ソングに。

振付についても、アメリカ版では野外活動で指導者と子供たちが笑顔で楽しく体を動かすレクリエーションソングだが、近藤春菜のネタでは無表情で「ふしぎなおどり」が披露されたため、奇妙さが前面に出たコミックソングとして受け入れられてしまったようだ。

歌詞が意味不明なカタカナソングといえば、『アチャパチャノチャ』や『サラスポンダ』、『イエヴァン・ポルッカ』なども有名。

誰が作詞・作曲したの?

アメリカ国内における認知度バツグンのこのキャンプソングだが、そのナンセンスな歌詞の意味も含めて、だれがいつどのような経緯で作詞・作曲したのか、どのようなきっかけでアメリカ中に広まっていったのかについては明らかになっていない。

ただ、時期的にはアメリカ国内で1960年代前半頃から同曲をカバーしたレコードがいくつかリリースされており、この時期のアメリカでボーイスカウトやガールスカウトの野外活動において同曲が大流行したのではないかと思われる。

有名なカバー盤について

ここからは、『Flea, Fly, Flo』の有名なカバー盤についていくつかご紹介したい。

1960年代にツイストで一世を風靡したアメリカの男性歌手チャビー・チェッカーによる1964年のカバー盤「Cu Ma La Be Stay」(クマラ・ビー・ステイ)。

【YouTube】Chubby Checker - Cu Ma La Be Stay [1964]

『Flea, Fly, Flo』の歌詞では「Vista(ビスタ)」と歌われる部分が「Be Stay」(ビー・ステイ)とアレンジされている。

Marsha Hunt - Oh, no! Not the Beast Day! [1973]

こちらはアメリカの女優・歌手マーシャ・ハント(Marsha Hunt)によるファンキーな『Flea, Fly, Flo』のカバー盤「Oh, no! Not the Beast Day!」。

チャビー・チェッカー盤では「Be Stay」となっていたところが「the Beast Day!」と別フレーズに差し変わっている。「Beast Day」とは一体どんな日なのか気になるが、これも音を合わせるだけのナンセンスな歌詞であることは言うまでもない。

Fe-Mail - Flee Fly Flo

女性音楽グループ「Fe-M@il」(フィーメイル)によるポップカバー『Flee Fly Flo』。若さあふれる爽やかなアレンジ。

その他あれこれ

『Flea, Fly, Flo』のカバーはまだまだ存在すると思われるが、きりがないのでこの辺で。今後も新たなカバー盤を見かけたら、このページでご紹介していきたい。

【YouTube】Pat & The Californians - Be Billy [August 1964]

【YouTube】GRUPO MAYOMBE - FLI FLAI FLO

【YouTube】fli fla flo - adrian speed (Dembow 2012)