44ひきのねこ NHKみんなのうた

原曲はイタリアの童謡『Quarantaquattro gatti』

『44ひきのねこ』は、NHK「みんなのうた」で1969年4月に初回放送された子供向けの歌。数の読み方は「よんじゅうよんひき」ではなく、語呂の良さを優先して「しじゅうしひき」となっている。

原曲はイタリアの童謡『Quarantaquattro gatti』(クワランタ・クアトロ・ガッティ)。1968年に開催されたイタリアの童謡コンクール「ゼッキーノ・ドーロ」第10回における優勝曲。作詞・作曲:ジュゼッペ・カザリーニ (Giuseppe Casarini/1924-2015)。

【YouTube】44ひきのねこ

【YouTube】原曲 Quarantaquattro gatti

原曲と日本語版の主な違い

日本語版の作詞者(訳詞者)は、童謡『サッちゃん』、『おなかのへるうた』などを手掛けた阪田 寛夫(さかた ひろお/1925-2005)。

海外の童謡が日本に輸入される際、原曲の内容と日本語の歌詞に大きな差異が生じることはよくあることだが、この『44ひきのねこ』に関しては、ある程度原曲の雰囲気を残した訳詞がなされている。

イタリア語と日本語の言語的相違からどうしても別のフレーズになってしまうのは仕方がない。それでも「6×7=42」「42 + 2 =2」など原曲にもある掛け算・数式のくだりは丁寧に導入されており、訳詞者の苦心の跡がみられる。

あえて原曲との違いを挙げるとすれば、日本語版では「やどなしニャンコ」だが、原曲ではネコたちは大きなビルの中に生活拠点を持っている(飼い主はいない)。

また、日本語版では余った2匹のネコが「シッポ立ててくる」となっているが、原曲では残り2匹のネコのシッポについての描写はない。

結局、原曲でのネコたちの要求は「毎日の食事」と、優しい人間の子供たちのイスの上で眠れる環境、つまり飼い主を求めている(ように読み取れる)。歌の歌詞では、結局ネコたちはその後どうなったのかについては触れられていない(ネコたちの集団決起そのもののユニークさに主眼が置かれている)。

関連ページ

ねこのうた
ネコが歌詞に登場する世界の民謡・童謡、日本の唱歌、猫に関連する歌、ねこをテーマとした曲・クラシック音楽など「ねこのうた」まとめ
NHK「みんなのうた」
『コンピューターおばあちゃん』、『北風小僧の寒太郎』、『こだぬきポンポ』など、NHK「みんなのうた」関連楽曲まとめ