ミシシッピ組曲 グローフェ

ミシシッピ川上流からニューオリンズまでアメリカ縦断川下りの旅

『ミシシッピ組曲 Mississippi Suite』は、『ラプソディ・イン・ブルー』オーケストレーションを手がけたアメリカの作曲家ファーディ・グローフェ(Ferde Grofé/1892-1972)が1925年に初演した交響組曲。

ミネソタ州のミシシッピ川上流から、アメリカ南部のルイジアナ州ニューオリンズまで、アメリカ縦断ミシシッピ川下りの旅が描かれている(詳細は後述)。

第1曲から第4曲までの4曲構成で、第2曲・第4曲はかつての人気テレビ番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」でコーナー効果音・ファンファーレとして使われ有名となった。

【試聴】Ferde Grofé - Mississippi Suite

第1曲:河の父 Father of the Waters

『ミシシッピ組曲』第1曲「河の父 Father of the Waters」では、ミシシッピ川源流の風景が描かれる。下写真はミシシッピ川の水源とされるミネソタ州のイタスカ湖(Lake Itasca)。

イタスカ湖流域には先住民族オジブワ族(チペワ族)が居住しており、2016年現在も10万人以上の人口が存在する。アメリカ合衆国ではチェロキー族、ナヴァホ族に次ぐ規模の部族。

第2曲:ハックルベリー・フィン Huckleberry Finn

1885年にアメリカで発表された小説「ハックルベリー・フィンの冒険」の舞台は、ミシシッピ川沿いの小さな町。「トムソーヤの冒険」の続編としてストーリーが展開される。

ジャケット写真は世界名作劇場「トムソーヤーの冒険」。座っている少年がハック(ハックルベリー・フィン)。

作者のマーク・トウェイン(Mark Twain/1835-1910)は4歳の時にミシシッピ川沿いの町、ミズーリ州ハンニバルに転居しており、この町と住人が「トム・ソーヤーの冒険」および「ハックルベリー・フィンの冒険」のモデルとなっている。

第3曲:懐かしきクレオールの日々 Old Creole Days

かつてフランス領として栄えたアメリカ南部のルイジアナ州ニューオリンズ。ナポレオン・ボナパルトが1803年に1500万ドルでルイジアナをアメリカへ売却した後も、フランス文化やカトリック教会の影響は色濃く残っている。

クレオール (Creole)とは、フランス領ルイジアナ時代の移住者を先祖に持つ人々・文化を指す(文脈によってニュアンスは異なる)。クレオール料理も有名。

第4曲:マルディ・グラ Mardi Gras

フランス文化の色濃く残るルイジアナ州ニューオリンズでは、カトリック教会の宗教的祝賀に由来するカーニバル「ニューオーリンズ・マルディグラ」が毎年2月・3月頃に開催される。

フロートと呼ばれる巨大な山車のパレードがセント・チャールズ大通りやカナル・ストリートを練り歩き、観光客たちにカラフルなビーズやダブルーン(コイン)をばら撒く(祭りの後のゴミ問題も)。

写真:ニューオーリンズ・マルディグラの様子(2007年)

なお、「マルディ(Mardi)」とはフランス語で「火曜日」、グラ「Gras」は「太った」を意味する。

キリストの復活を祝うイースター(復活祭)の直前の時期には、宗教的に食事の節制(肉・乳製品を控える)と祝宴の自粛が行われるが、その節制に入る直前の最後の「どんちゃん騒ぎ」としてマルディ・グラが祝われる。

参照:イースター(復活祭)とは?

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