十三夜はいつ? 意味・由来

栗名月・豆名月の別名も 十五夜に次ぐ月見の夜

十三夜(じゅうさんや)は、陰暦13日の夜、またはその夜の月を意味する。特に陰暦9月13日の夜を指す場合が多く、十五夜に次ぐ月見の夜として人気がある。

写真:2014年の十三夜(出典:やつば池散歩道のブログ)

文字だけ見ると十五夜の二日前だが、陰暦9月13日の夜の意味で「十三夜」という場合、それは中秋の名月である陰暦8月15日の約一か月後の夜となる。

現代の暦では十三夜はいつか?2018年は10月21日、2019年は10月11日、東京オリンピックの2020年は10月29日が十三夜にあたる。

十五夜の日付については「中秋の名月はいつ?満月は? 意味と由来」のページを参照されたい。

十三夜は満月ではない

十三夜や十五夜といった旧暦の名称は、月の満ち欠けを基準に日付を決めていた陰暦に基づいている。

陰暦の計算上、満月は十五夜以降となり、十五夜の二日前である十三夜は満月にはならない。十五夜と満月のズレについては、こちらのページ「十五夜はいつ?満月は? 意味・由来」を参照されたい。

十三夜の別名は?

十三夜には様々な別名がある。十三夜は中秋の名月より1か月後なので「後の月(のちのつき)」と呼ばれたり、十五夜との関係で「二夜の月(ふたよのつき)」などの異名がある。

また、十三夜の月見では栗や豆が供えられたことから「栗名月(くりめいげつ)」、「豆名月(まめめいげつ)」などの別名も定着している。

平安時代の宮中行事

三十六歌仙の一人・凡河内 躬恒(おおしこうちのみつね/859-925)の家集「躬恒集(みつねしゅう)」には、919年に行われた十三夜の月見が記録されている。

清涼殿の南のつまに御清水流れ出でたり,この前栽にささら川あり,延喜十九年九月十三日に月の宴せしめ給ふ

なお、中国に由来する十五夜の月見とは異なり、十三夜に月見を行うのは日本独自の風習。

片見月(かたみつき)は縁起が悪い?

かつて江戸では、十五夜と十三夜の月見は同じ場所で行うべきものとされ、十三夜の月見を別の場所で行う「片見月(かたみつき)」は縁起が悪いとする風習があった。

また、場所の話ではなく、十五夜は月見をしたが十三夜は月見をしなかった場合も「片見月(かたみつき)」とする言い伝えもあるという。

これらは江戸、つまり現在の関東地方に伝わる迷信の一つで、十五夜と十三夜の月は「二夜の月(ふたよのつき)」として密接不可分なものと考えられていたようだ。

この迷信の由来・起源については明らかではないが、一説には、江戸の遊里・吉原の客寄せの口実として生まれたとのこと。十五夜に来た客をもう一度呼ぶためのビジネス戦略だったという考えだ。

十三夜に曇りなし

「十三夜に曇りなし」という言い伝えがあるようだ。実際の十三夜はそこまで断言できるほど良い天気ばかりではないだろうが、中秋の名月の時期に比べれば、多少は良い天気が期待できるのかもしれない。

お月様いくつ 十三 七つ

「お月様いくつ 十三 七つ♪」と歌う古いわらべうた・遊び歌がある。その歌詞の意味については、月の満ち欠けの名前である「十三夜(じゅうさんや)」が関連しているとする説が存在する。

関連:お月さんいくつ(なんぼ) 歌詞の意味

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