雪山讃歌 歌詞の意味 原曲・替え歌

アメリカの楽曲『いとしのクレメンタイン』を雪山ソングに替え歌

『雪山讃歌』(ゆきやまさんか)は、ダークダックスが1959年6月にリリースした雪山ソング・山の歌。NHK「みんなのうた」で1961年12月に初回放送された。

メロディの原曲は、19世紀アメリカのフォークバラード『いとしのクレメンタイン Oh My Darling, Clementine』。

嬬恋村 鹿沢スノーエリア

写真:嬬恋村 鹿沢スノーエリア(出典:Wikipedia)

歌詞は、京都帝國大学山岳部の西堀榮三郎らが雪山ソングとして替え歌したもの。

1926年(大正15年)1月、西堀は山岳部で群馬県嬬恋村(つまごいむら)の鹿沢温泉(かざわおんせん)を訪れた。スキー場「鹿沢スノーエリア」がある場所。

しかし大雪で足留めされてしまい、何もすることがなくなってしまった。退屈を紛らわせるため、仲間たちと『いとしのクレメンタイン Oh My Darling, Clementine』を替え歌して山の歌を作った。これが今日知られる『雪山讃歌』の原形となっている。

鹿沢温泉には後に歌碑が建立され、嬬恋村では正午を告げる防災無線のチャイムに『雪山讃歌』のメロディが使用されている。

スキー場がある長野県白馬駅にJR東日本の特急「あずさ」号が到着する際の車内メロディにも使われていた。

【YouTube】 雪山讃歌 ダーク・ダックス

歌詞(ダークダックス版)

『雪山讃歌』は歌集によって歌詞が一部異なるが、ここではダークダックス版『雪山讃歌』の歌詞を次のとおり引用し、その意味・内容について簡単に補足してみたい。

雪よ岩よ われらが宿り
おれたちゃ町には 住めないからに
おれたちゃ町には 住めないからに

テントの中でも 月見はできる
雨が降ったら ぬれればいいさ
雨が降ったら ぬれればいいさ

シールはずして パイプの煙
輝く尾根に 春風そよぐ
輝く尾根に 春風そよぐ

荒れて狂うは 吹雪か雪崩(なだれ)
俺達ゃそんなもの 恐れはせぬぞ
俺達ゃそんなもの 恐れはせぬぞ

朝日に輝く 新雪踏んで
今日も行こうよ あの嶺越えて
今日も行こうよ あの嶺越えて

山よさよなら ごきげんよろしゅう
また来る時にも 笑っておくれ
また来る時にも 笑っておくれ

「住めないからに」の「からに」は、理由を表す「~だから、~ので」の意味。京大の学生が考えた歌詞ということもあり、「~やさかいに」のような京都弁の影響が見受けられる。

「シールはずして パイプの煙」の「シール」とは、ステッカーなどのシールではなく、アザラシ(英語でseal)の皮のこと。

山スキー ゾンメルスキー用 アザラシの皮 シールスキン

写真:山スキー ゾンメルスキー用 アザラシの皮 シールスキン(出典:Aucfree)

雪の上を滑るように移動するアザラシの毛皮は、向きによって滑り止めになるため、アザラシの皮(シール)をスキー板の裏(滑走面)に貼って、雪山を歩いたり、登ったりしていた。

滑り止め(シール)を外したということは、苦労して山を登り切り、いよいよこれからスキーを楽しもうという瞬間であり、さらに「パイプの煙」で一服する至福の時間を表していることになる。

作詞は「タロ・ジロ」南極観測隊

『雪山讃歌』作詞者・西堀 栄三郎は、第一次南極観測隊(1958年)の越冬隊長を務めたことでも知られる。

第一次南極観測隊といえば、同行した樺太犬の兄弟犬「タロとジロ(タロウとジロウ)」が登場する「南極物語」が有名。

南極物語 映画

『雪山讃歌』作詞者の西堀氏は、まさにこのタロとジロと共に南極へ渡った観測隊の越冬隊長だったのだ。西堀氏はこの時の体験を著書「南極越冬記」(岩波新書)に記しており、同著は半世紀を越え重版されている。

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