Bury Me Not on the Lone Prairie
寂しい草原に埋めないで(駅馬車)

アリゾナからニューメキシコへと駆け抜ける一台の駅馬車

『駅馬車』の邦題で知られる『Bury me not on the lone prairie』(ベリー・ミー・ノット・オン・ザ・ローン・プレーリー/意味:寂しい草原に埋めないで)は、アメリカの古い民謡。

日本では日本語の歌詞がつけられ、NHK「みんなのうた」で1962年12月に初回放送された。

ルーツは、イギリスの海賊や商船の乗組員らの労働歌「sea chantey(シー・シャンティ)」の一つで、「Bury me not on the deep ocean(深い海に放らないで)」がその原曲とされている。

ちなみに、アメリカ民謡『シェナンドー』も「sea chantey(シー・シャンティ)」がルーツとされているようだ。

アメリカ映画「駅馬車(Stagecoach)」で有名に

『Bury me not on the lone prairie(寂しい草原に埋めないで)』は、1939年のアメリカ映画「駅馬車(Stagecoach)」で用いられ、「駅馬車」のタイトルで世界中に広まった。

映画「駅馬車」は、1880年代のアメリカ西部を舞台に、アリゾナからニューメキシコへと駆け抜ける一台の駅馬車を描いた西部劇の名作中の名作。

ジョン・ウェイン主演「駅馬車」

ジャケット写真:ジョン・ウェイン主演「駅馬車」[DVD]

【YouTube】Johnny Cash -Bury me not on the lone prairie

【YouTube】映画『駅馬車』より「Bury Me not on the lone Prairie」

歌詞(一例)・和訳(意訳)

1.
O, bury me not on the lone prairie
These words came low an' mournfully
From th lips of a youth who lay on his dyin' bed
At the close of day an' to 'em he said

おお 一人寂しく草原に埋めないで
悲しげな声が響く
死の床に伏せる若者の唇から
日も暮れる頃に

2.
O, bury me not on the lone prairie
Where the wild coyote will howl o'er me
In a narrow grave, six by three
Bury me not on the lone prairie

おお 一人寂しく草原に埋めないで
野生のコヨーテが吠え掛かってくる所なんかで
縦6フィート横3フィートの狭い墓に
一人寂しく草原に埋めないで

日本語歌詞について

上述のとおり、この曲には小林幹治の作詞による日本語の歌詞がつけられ、NHK「みんなのうた」で1962年12月に初回放送された。

一体どのような日本語歌詞がつけられたのだろうか?

小林幹治の作詞による『駅馬車』の歌詞を次のとおり引用し、その内容を簡単に確認してみたい。

1.
あの村 この町を
今日また 後にして
走れよ 元気よく
みんなが まっている

希望のせて 馬車は行く
はるかな ふるさとを
夢見て 走れば
苦労など なんでもない

2.
果てなく 長い道
でこぼこの ほこり道
ゆられて 歌い出す
楽しい 馬車の旅

希望のせて 馬車は行く
はるかな ふるさとを
夢見て 走れば
苦労など なんでもない

3.
さよなら またの日を
思えば 遠い空
丘越え 野を越えて
あなたの 村里へ
希望のせて 馬車は行く
はるかな ふるさとを
夢見て 走れば
苦労など なんでもない

この歌詞では、原曲の内容から離れ、はるかな故郷を夢見て町から町へと馬車で旅する様子が描写されている。

【YouTube】駅馬車 小林幹治作詞

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