仰げば尊し(あおげばとうとし)
文部省唱歌

卒業シーズンの定番~変わり行く時代に、変わらぬメロディー

 『仰げば尊し(あおげば とうとし)』は、1884年(明治17年)に発刊された「小学唱歌集第三編」において、初めて日本に広められた唱歌の一つ。

 かつては卒業式といえば『蛍の光』か『仰げば尊し』が歌われていたものだが、歌詞の古臭さや時代の変化を理由として、あまり公式行事の中で歌われなくなっているようだ。

明治時代の音楽はここから始まった~和洋折衷の唱歌誕生~

 古いのも無理はない。100年以上前に作られた曲なのだ。当時の日本では、まともな音楽教育制度すらなかった。

 西洋音楽から大きく遅れを取っていた当時の日本は、欧米諸国に追いつけ追い越せとばかりに、アメリカのボストンから音楽教育で実績のあったメーソン(Mason, Luther Whiting/1828-1896)を呼び寄せた。

 メーソンの指導の下、既存の西洋音楽の中から日本人に親しみやすい曲を選び、そのメロディーに日本語の歌詞を付けて、日本の音楽教育「唱歌」の教材とした。こうして明治時代に生まれた唱歌の一つが、この『仰げば尊し』なのだ。

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ルーツはスコットランド民謡?

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 メーソンが日本に紹介したのは、当時アメリカでも広まっていたスコットランド民謡アイルランド民謡、ドイツ民謡、賛美歌などからチョイスされた曲が多かった。

 「小学唱歌集」に掲載された西洋音楽としては、以下のような曲が今日でも広く知られている。なお、『仰げば尊し』はスコットランド民謡といわれているが、実際の原曲については確かな資料がないようだ。

<仰げば尊しとよく似ているスコットランド民謡>
●そっくりメロディー研究室 『愛しのアランデールのバラ』

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歌詞

仰げば尊し わが師の恩
教えの庭にも はや いくとせ
おもえば いと疾し(とし) このとし月
いまこそ 別れめ いざさらば

互いに むつみし 日ごろの恩
わかるる後にも やよ 忘るな
身をたて 名をあげ やよはげめよ
いまこそ 別れめ いざさらば

朝夕 慣れにし 学びの窓
蛍のともし火 つむ白雪(しらゆき)
忘るる まぞなき ゆくとし月
いまこそ 別れめ いざさらば

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