ちょっと一貫貸しました 手まり歌の結び

日本の古い手まり歌の結びの句

「ちょっと一貫貸しました」は、日本の古い手まり歌(まりつき歌)わらべうたで結び(一番最後)に歌われる決まり文句。

横溝正史の長編推理小説「金田一耕助シリーズ」の傑作「悪魔の手毬唄」でも言及されている。

「さらば一貫貸しました」や「まずまず一貫貸し申した」など、歌われる地域によって様々な表現がなされるが、どれも手まり歌の結びとして歌われている。

おそらく意味合いとしては、手毬を何十回・何百回とつく様子を、一文を何百枚も積み上げて一貫(一千文)になる様に例えたのではないかと推測されるが、由来やルーツなど詳細は不明だ。

ちなみに、明治時代には俗に10銭を1貫とも称したようで、手毬唄のなかにも「10」を数えた直後に「一貫貸した」と締めくくる歌がいくつか見られる。

清水の観音様 わらべうた

手毬唄・わらべうた『清水の観音様』(きよみずのかんのんさま)でも、最後に「まずまず一貫貸し申した」がセットで歌われている。

上述の「悪魔の手毬唄」の歌詞では、「うちの裏の前栽に 雀が三羽とまって」のようにスズメが三羽登場するが、この『清水の観音様』でも「すずめが三匹」登場する。

清水の観音様に すずめが三匹止まった
そのすずめが 蜂に刺されて
あいたたぶんぶん あいたたぶんぶん
まずまず一貫かしもうした

山寺の和尚さん系 その1

山寺の和尚さん
まりがお好きで まりはなし
猫をかンぶくろへ へし込んで
ポンと蹴りゃ ニャンと鳴く
ニャンポン其処にか わしゃ此処に
さらば一貫貸しました

山寺の和尚さん系 その2

ひとり坊さんさみしかろ
猫を紙袋へおっぺしこんで
ポポポンポンとつきや
おニャンニャンニャンと鳴く
まずまず一貫貸し申した

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猫をかん袋に押し込んで ポンとけりゃ ニャンとなく