うめぼしのうた

梅の実が成って梅干しになるまでを描いた梅干し人生の詩(うた)

『うめぼしのうた(梅干しの歌)』は、1910年(明治43年)発行の『尋常小学読本 巻五』で発表された七五調の韻文。

梅の木に花が咲き実が成り、漬けられて梅干しになるまでを描写している。当時はメロディはつけられていない。

作者は、明治時代の国文学者、芳賀 矢一(はが やいち/1867-1927)とされている。芳賀は『尋常小学唱歌』の編纂にも携わっている。

梅干し

この詩にメロディをつけた楽曲としては、1983年の「ひらけ!ポンキッキ」版、2001年の宮川博之版、2011年のNHK「みんなのうた」で放送された『ウメボシジンセイ』などが知られている。『ウメボシジンセイ』については後述する。

歌詞

二月三月花ざかり、
うぐひす鳴いた春の日の
たのしい時もゆめのうち。

五月六月実がなれば、
枝からふるひおとされて、
きんじょの町へ持出され、
何升何合はかり売。

もとよりすっぱいこのからだ、
しほ(塩)につかってからくなり、
しそにそまって赤くなり、
七月八月あついころ、
三日三ばんの土用ぼし、
思へばつらいことばかり、
それもよのため、人のため。

しわはよってもわかい気で、
小さい君らのなかま入、
うんどう会にもついて行く。
ましていくさのその時は、
なくてはならぬこのわたし。

土用干し

「土用干し(どようぼし)」とは、梅雨明け後の夏の暑い日差しの中で、塩漬け後のウメを3日ほど天日干し(てんぴぼし)にする作業工程のこと。この後さらに本漬けが行われる。

土用干し(梅干し)

「土用(どよう)」とは、夏にうなぎを食べる「土用の丑の日」の「土用」と同じで、夏の土用は立秋(8月7日頃)からさかのぼって約18日間となり、夏の土用の入りは7月19日か20日となる。

ちなみに、土用は年4回あり、中国の五行説に由来している。詳細は、こちらのページ「土用の丑の日 意味と由来」、または「五行説(五行思想)とは? 色と季節・意味」のページを参照されたい。

みんなのうた『ウメボシジンセイ』

2011年12月のNHK「みんなのうた」では、『うめぼしのうた』の詩にメロディをつけてアレンジした楽曲『ウメボシジンセイ』が放送された。

歌は、日本の2人組音楽ユニット「ビューティフルハミングバード」、およびNHK東京児童合唱団。アマゾンでMP3ダウンロード購入可能(下ジャケット写真)。

歌詞は一部変更されており、尺を伸ばすためにサビの歌詞などが追加されているが、元の『うめぼしのうた』の原型は残されている。

【試聴】ウメボシジンセイ 歌:ビューティフルハミングバード

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