炭坑節 たんこうぶし

月が出た出た月が出た 三池炭坑の上に出た? 元祖は田川炭坑

『炭坑節(たんこうぶし)』は、福岡県に伝わる日本の民謡夏祭り・盆踊りの唄としても定番。

オリジナルは、三井田川炭鉱の女性労働者が歌っていた『伊田場打選炭唄』。後に編曲され、1932年(昭和7年)に初めてレコード化された。

写真:炭坑節発祥の地 福岡県田川市の石炭記念公園

ところがその後、1948年(昭和23年)に芸者歌手の赤坂小梅が歌った替え歌版では、歌の舞台が三井田川炭坑(田川市)から三井三池炭坑(大牟田市)に変更され、戦後はこの三池炭坑版が大流行した。

その後にも『炭坑節』は様々な歌詞でレコード化されたが、三井田川炭坑ではなく三池炭坑の歌詞で歌われるのが主流となっている。

ちなみに、プロ野球の西武ライオンズは、その前身である西鉄ライオンズの本拠地が福岡ということで、現在でも炭坑節を応援歌として採用している(こちらも三池炭坑)。

炭坑節 歌詞の一例

月が出た出た 月が出た(ヨイヨイ)
三池炭坑の 上に出た
あまり煙突が 高いので
さぞやお月さん けむたかろ(サノヨイヨイ)

あなたがその気で 云うのなら(ヨイヨイ)
思い切ります 別れます
もとの娘の 十八に
返してくれたら 別れます(サノヨイヨイ)

一山 二山 三山 越え(ヨイヨイ)
奥に咲いたる 八重つばき
なんぼ色よく 咲いたとて
サマちゃんが通わにゃ 仇の花(サノヨイヨイ)

晴れて添う日が 来るまでは(ヨイヨイ)
心一つ 身は二つ
離れ離れの 切なさに
夢でサマちゃんと 語りたい(サノヨイヨイ)

【YouTube】盆踊り 炭坑節(鈴木正夫)

【YouTube】炭坑節(たんこうぶし)

正調炭坑節 歌詞

香春岳から 見下ろせば
伊田のたてこうが 真正面
12時下がりの サマちゃんが
ケージにもたれて 思案顔
サノヨイヨイ

ひとやま ふたやま みやま越え
奥に咲いたる 八重つつじ
なんぼ色よく 咲いたとて
サマちゃんが 通わにゃ 仇(あだ)の花
サノヨイヨイ

月が出た出た 月が出た
三井炭坑の 上に出た
あんまり煙突が 高いので
さぞやお月さん 煙たかろ
サノヨイヨイ

格子窓から 月がさす
サマちゃんの寝顔の 愛らしさ
はずした枕を すけさしょか
思案なかばに 明けの鐘
サノヨイヨイ

<歌詞の出典:福岡県田川市公式Webサイト>

サマちゃんって誰?

『炭坑節』の歌詞に登場する「サマちゃん」とは一体誰のことなのか?

この「サマちゃん」とは、炭坑で選炭(炭の選別)作業に従事する女性労働者から見て、その彼氏または好意を寄せる男性炭坑労働者のことと考えられる。

そもそも『炭坑節』のオリジナルは、三井田川炭鉱の女性労働者が歌っていた『伊田場打選炭唄』であり、歌い手である女性労働者の視点から描写された歌詞が数多く用いられている。

サマちゃんの語源は「様ちゃん」であり、これは「旦那様」や「あなた様」を可愛らしくもじった愛称であると推測される。

沖縄歌謡『十九の春』と関連?

1972年にレコード発売された沖縄歌謡『十九の春』では、『炭坑節』の歌詞にある「もとの娘の十八に 返してくれたら別れます」のくだりと近い内容の歌詞が登場する。

私があなたに惚れたのは
ちょうど十九の春でした
いまさら離縁と言うならば
もとの十九にしておくれ

<抜粋:沖縄歌謡『十九の春』一番の歌詞より>

時系列的には『炭坑節』の方が先なので、『十九の春』の歌詞は『炭坑節』がルーツの一つである可能性がありそうだ。

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