仲順流り ちゅんじゅんながり

エイサー定番曲として使われる伝統的な沖縄民謡

『仲順流り(ちゅんじゅんながり)』は、エイサーで使われる伝統的な沖縄民謡。

同じくエイサーの定番曲『クーダーカー(久高万寿主)』と組み合わせて(連続で)演奏される。

仲順青年会エイサー演舞

「仲順(ちゅんじゅん)」とは、沖縄県中頭郡の北中城村(きたなかぐすくそん)にある集落の名前(字/あざ)。13世紀に活躍した豪族・仲順大主(ちゅんじゅんうふしゅ)が創始したとされる。

『仲順流り』の歌詞では、この仲順大主の伝説に関連した内容が描写されている。

写真:仲順青年会エイサー演舞(出典:YouTube)

【試聴】 エイサー『仲順流り』ほか 嘉手苅林昌

【試聴】 仲順流り~ クーダーカー / 嘉手苅林昌・園田青年会

歌詞の一例

七月(しちぐゎち)七夕(たなばた)
中ぬ十日 (とぅーか)

エイサー エイサー
ヒヤルガエイサー
スリサーサー スリ

仲順(ちゅんじゅん)流り(ながり)や
七(なな)流り
黄金(くがに)の はやしん
七はやし

仲順大主(ちゅんじゅんうふしゅ)や
果報(かふ)な者(むん)
産(な)し子(ぐゎ)や 三人
産(な)し生(ん)じゃち

国々(くにぐに)様々(さまざま)
巡(みぐ)るとぅん
我親(わんうや)に似る(にちゅる)
人無(ひとぅん)らん

七夕とエイサーについて

『仲順流り』の歌詞にある七夕(たなばた)は旧暦の7月(現代の暦の8月中旬前後)。エイサーは、お盆の時期に現世に戻ってくる祖先の霊を送り出す意味合いがある。

「流り」と「はやし」の意味

「仲順流り」の「流り」の意味については、川の流れのようにも見えるが、はっきりしたことは分かっていないようだ。

「七はやし」の「はやし」の意味も明らかではない。「林」や「囃子」の字が当てられることが多いようだが、ウチナーグチ(沖縄方言)の用法や発音から考えると違和感があるとする次のような解説も見られる。

また「はやし」とは何か。歌詞集によっては「林」と当て字をするものも見かける。 しかしウチナーグチで「はやし」という言い方は見かけない。木々の茂った場所は「やま」という。また「むい」(森、丘)という言い方があってもこれは木々の茂った場所というよりも「拝所、御嶽」がある場所を言う。

「囃子」とするものもあるが無理がある。「はやし」はウチナーグチで「フェーシ」と言うからだ。

<引用:ブログ「たるーの島唄まじめな研究」より>

「産し子や三人」について

仲順大主には3人の息子がいたという。あるとき、誰に家督を継がせるか決めるために、仲順大主は病気のフリをして3人を試すこととした。

「私は食べ物がノドを通らなくなってしまった。赤ん坊に与える乳なら飲むことができる。赤ん坊はあきらめて、乳をすべてもらえないか。」

長男と次男は、親より自分の子を優先してこれを断ったが、三男は親の命を救うべく、自分の赤ん坊に与えるはずの乳をすべて差し出した。

仲順大主は、三男の赤ん坊を東の森の三本松の木の下に三尺の穴を掘って埋めるよう伝えた。三男がそこで穴を掘ると黄金の財宝が見つかった。財宝と家督は三男が継いだ。

なお、『仲順流り』の歌詞にある「黄金の はやしん」との関連性がありそうだが、「はやし」の意味がはっきりしないため、関係性は定かではない。

有名な音源

イベントなどで実演されるエイサーのBGMに使われる音源としては、新良 幸人(あら ゆきと)の沖縄音楽バンド「パーシャクラブ」が演奏する『クーダーカー ~仲順流り』が有名。

新良幸人 沖縄音楽バンド「パーシャクラブ」CD

写真:新良 幸人「パーシャクラブ」アルバム

【試聴】新良幸人&パーシャクラブ クーダーカー・仲順流り

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