高校三年生 歌詞と解説 舟木一夫

赤い夕陽が 校舎を染めて ニレの木陰に 弾む声

「赤い夕陽が 校舎を染めて」が歌い出しの『高校三年生』は、1963年6月にリリースされた舟木一夫のデビュー曲。作詞:丘灯至夫(おか としお)、作曲:遠藤実。

デビュー作がいきなりミリオンセラーの大ヒット曲となった舟木一夫は、同年末の第5回日本レコード大賞・新人賞を受賞したほか、大晦日の第14回NHK紅白歌合戦に初出場を果たしている。

舟木一夫 学生服 プロマイド

写真:舟木一夫 あゝ青春のプロマイド: 芸能生活55周年記念

『高校三年生』のレコーディング時点では、曲名どおり舟木一夫は現役の高校三年生だった。母校は自由ヶ丘学園高等学校(東京都目黒区)。

レコード発売時点では既に高校を卒業していたが、作曲者・遠藤実が「学生服で行け」と指示を出し、日本歌謡界における異例の学生服デビューとなった。

レコードジャケットの撮影時には、舟木の母校の制服がそのまま用いられている。

【YouTube】 舟木一夫/高校三年生

歌詞

『高校三年生』
作詞:丘灯至夫
作曲:遠藤実

赤い夕陽が 校舎をそめて
ニレの木蔭に 弾む声
ああ 高校三年生 ぼくら
離れ離れに なろうとも
クラス仲間は いつまでも

泣いた日もある 怨んだことも
思い出すだろ なつかしく
ああ 高校三年生 ぼくら
フォークダンスの 手をとれば
甘く匂うよ 黒髪が

残り少ない 日数を胸に
夢がはばたく 遠い空
ああ 高校三年生 ぼくら
道はそれぞれ 別れても
越えて歌おう この歌を

舟木一夫の母校について

『高校三年生』を歌った舟木一夫の母校は、東京都目黒区自由が丘二丁目にある私立男子高校「自由ヶ丘学園高等学校」。

自由ヶ丘学園高等学校

写真:自由ヶ丘学園高等学校(出典:Wikipedia)

1927年(昭和2年)創立。同年8月に現在の東急東横線が開通し、九品仏駅(くほんぶつえき)が最寄り駅となったが、1929年に東急大井町線が開通すると、東急東横線の九品仏駅はこの学園名から「自由ヶ丘」駅と改名され、一体の町名にも採用された。

校舎のモデルは松蔭学校

『高校三年生』の歌詞にある「校舎」とは、東京都世田谷区の私立松蔭高校がモデルとされており、同校には歌詞が書かれた歌碑も存在する。

松蔭中学校・高等学校

写真:松蔭中学校・高等学校(出典:Wikipedia)

この歌碑の解説によれば、作詞者の丘灯至夫(おか としお)は当時松蔭高校の文化祭を取材しており、文化祭のリハーサルで男女の生徒がフォークダンスを踊っていたのを見かけた。

この時の様子が、『高校三年生』二番の歌詞の「フォークダンスの手を取れば 甘く匂うよ黒髪が」に反映されているという。

ニレの木について

『高校三年生』一番の歌詞にある「ニレ」については、ただ単に「ニレ」といっても、日本にはアキニレやハルニレなど、いくつかニレ科ニレ属の樹木が存在している。

赤い夕陽が 校舎をそめて
ニレの木陰に はずむ声

<引用:『高校三年生』一番の歌詞より>

アキニレ

写真:アキニレ(出典:Wikipedia)

アキニレは、日本では主に西日本に分布し、樹高15m、直径0.6mほどに成長する。

ハルニレは、日本では東北や北海道を中心に分布し、樹高は30メートル、直径は1メートルにも達する。

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