一円玉の旅がらす 意味と衣装

NHK「みんなのうた」/旅がらすは「旅をするカラス」ではない?

『一円玉の旅がらす』は、NHK「みんなのうた」で1990年2月に初回放送された楽曲。作詞:荒木とよひさ、作曲:弦哲也。

歌い手を務めた晴山さおりにとって、『一円玉の旅がらす』は記念すべきデビューシングルであり、1991年9月時点で65万枚を売り上げるヒット曲となった。第32回日本レコード大賞で最優秀演歌新人賞を受賞している。

【試聴】一円玉の旅がらす

消費税導入で一円玉が活躍

『一円玉の旅がらす』がNHK「みんなのうた」で初回放送された当時は、1989年4月より消費税(3%)が導入されたばかりの時期で、計算上一円単位の端数が出やすくなったことから、一円玉(一円硬貨)に注目が集まっていた。

歌詞の「出世街道」とは、消費税で以前より一円玉の出番(使用頻度)が増えたという意味合いが込められていると推測される。

「旅がらす」は道中姿の渡世人

曲名の「旅がらす」については、「旅をするカラス」ではなく、江戸時代などの時代劇で、住居を持たずに道中姿で旅をしながら暮らす無宿渡世人(むしゅく とせいにん)を意味している。

渡世人は黒っぽい姿で各地を飛び回っていることから、鳥のカラスに例えて「旅烏(たびがらす)」と呼ばれる。

『一円玉の旅がらす』、みんなのうた『北風小僧の寒太郎』と同じく、1972年のテレビドラマ「木枯し紋次郎」の影響を受けていると考えられる。

時代劇「木枯し紋次郎」の影響について

『一円玉の旅がらす』と『北風小僧の寒太郎』の2曲については、上述のとおり、1972年のテレビドラマ「木枯し紋次郎」の影響を受けていると考えられる。

写真:時代劇「続・木枯し紋次郎」(出典:BSテレ東Webサイトより)

木枯し紋次郎」は、道中姿の渡世人が全国各地を渡り歩く股旅物(またたびもの)の一つ。カラーテレビ普及期に平均視聴率30%越えの大ヒットドラマとなり、股旅物や渡世人のイメージを一般家庭に定着させた作品。

特に『北風小僧の寒太郎』については、「木枯し紋次郎」放送開始から2年後にNHKみんなのうたで放送された楽曲であり、ドラマの大ヒットを受けてまもなく製作開始された楽曲であると推測される。

衣装について

『一円玉の旅がらす』テレビ放送時に、主人公のキャラクターが着ていた衣装は、縞の合羽に脇差、股引の道中姿。

一般的な道中姿では、菅笠(すげがさ)か三度笠(さんどがさ)が不可欠だが、『一円玉の旅がらす』ではキャラクターの頭が体よりも大きな「一円玉」のため、頭にかぶるべき菅笠がアニメ映像では描かれていない。

写真:引廻し合羽をつけた道中姿の町人(出典:京都市風俗博物館)

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