サッキヤルヴェン・ポルカ(ポルッカ)
Säkkijärven Polkka

フィンランド民謡/ロシアに奪われたサッキヤルヴィの魂

『サッキヤルヴェン・ポルカ(ポルッカ) Säkkijärven Polkka』は、アコーディオンでよく演奏されるフィンランド民謡、ポルカの有名な曲

タイトルは『サッキヤルヴィ・ポルカ Säkkijärvi Polka』とも表記される。ネット上で検索すると『サッキヤルベン・ポルカ』、『セッキイェルヴィのポルカ』、『サッキェルヴェン・ポルッカ』などとカタカナ表記にはバラつきが見られるが同じ曲を指している。

フィンランドのアコーディオン奏者・作曲家のヴィルヨ・ヴェステリネン(Viljo Vesterinen/1907–1961)によって20世紀前半にカバーされ、以後フィンランドにおけるアコーディオンの定番曲として定着した。

詳しい経緯は不明だが、フィンランド語の歌詞もつけられており、YouTubeなどで歌詞付きの動画が確認できた。参考までに歌詞を掲載しておくが、おそらくは20世紀中に後付けされた歌詞ではないかと推測される。

多くの外国人にとってフィンランド語は難解な言語とされるが、同じくフィンランド民謡系の『イエヴァン・ポルカ Ievan Polkka』同様、まったくの初学者が歌を聴くとまるで何かの呪文のように聞こえることだろう。空耳ソング的には格好の材料とも言える。

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サッキヤルヴィとは?

サッキヤルヴィ(Säkkijärvi)とは、かつてフィンランドに存在したヴィープリ州 (Viipurin lääni)の町の名前。「Säkkijärven サッキヤルヴェン」は「サッキヤルヴィの」といった意味になる。

冬戦争(1939)および継続戦争(1941-1944)により旧ソビエト連邦に侵略され、ロシアのレニングラード州に吸収され名前を変えられて、サッキヤルヴィは消滅した。

上の地図で見ると、「SUOMI スオミ」と記された国がフィンランド、その右下の赤い「Karjala カレリア」がロシアに占領され吸収された部分。サッキヤルヴィもこのカレリアにあり、『サッキヤルヴェン・ポルカ Säkkijärven Polkka』の歌詞にも「Karjala カレリア」の語句が見られる。

町はロシアに奪われてしまったが、恐らくフィンランドの人々は、この『サッキヤルヴェン・ポルカ Säkkijärven Polkka』を歌い継ぎ、演奏し続けることで、ロシアへの臥薪嘗胆(がしんしょうたん)の思いを温め続けているのだろう。

ほぼ同時期に北方領土をロシアに奪われた日本にとっても決して他人事ではない話だ。

ちなみに、フィンランド軍の名スナイパーであるスロ・コルッカ(Sulo Onni Kolkka/1904-1988)は、このサッキヤルヴィ(Säkkijärvi)出身。同じくフィンランドの伝説的スナイパー、シモ・ヘイヘも同じヴィープリ州の生まれ。

シモ・ヘイヘは冬戦争で活躍したが負傷し、その後の継続戦争には参加していない。

【関連ページ】 フィンランドへのロシア侵略について(シベリウス 交響詩『フィンランディア』より)

【試聴】Säkkijärven Polkka 歌詞あり

【試聴】15弦カンテレ演奏

歌詞(フィンランド語)・日本語訳

On kauniina muistona Karjalan maa,
mutta vieläkin syömmestä soinnahtaa,
kun soittajan sormista kuulla saa,
Säkkijärven polkkaa!

美しい思い出の地 カレリアよ
今でも心から湧き上がる
奏者が爪弾く サッキヤルヴェン・ポルカ!

Se polkka taas menneitä mieleen tuo
ja se outoa kaipuuta rintaan luo.
Hei, soittaja, haitarin soida suo
Säkkijärven polkkaa!

ポルカで昔を思い出す
不思議な追憶が胸を刺す
アコーディオンを奏でれば
サッキヤルヴェン・ポルカ!

Nuoren ja vanhan se tanssiin vie,
ei sille polkalle vertaa lie!
Sen kanssa on vaikka mierontie
Säkkijärven polkkaa!

老いも若きも踊りだす
ポルカに勝るものはなし
放浪者になってもかまわない
サッキヤルヴェン・ポルカ!

Siinä on liplatus laineitten,
siinд on huojunta honkien.
Karjala soi - kaikki tietää sen -
Säkkijärven polkkaa!

そこでは湖にも波がたち
松の梢も騒ぎ出す
カレリアが唄いだす 誰もが知ってる
サッキヤルヴェン・ポルカ!

Tule, tule tyttö, nyt kanssani tanssiin,
kun polkka niin herkästi helkähtää.
Hoi! Hepo surkoon ja hammasta purkoon,
kun sillä on ihmeesti suurempi pää!

おいで娘よ 私と踊ろう
優しく響くポルカの音色
ホイ! 馬は嘆いて歯軋りしてる
だって頭でっかちだから!

Tule, tule, tyttö, nyt kanssani tanssiin
kun meillä on riemu ja suvinen sää!
Säkkijärvi se meiltä on pois,
mutta jäi toki sentään polkka!

おいで娘よ 俺と踊ろう
夏の夜の喜びを楽しもう
サッキヤルヴィは失われても
ポルカは残されたのだから!

Kun rakkaimmat rannat on jääneet taa,
niin vieraissa kulkija lohdun saa, kun
kuuntelee soittoa kaihoisaa:
Säkkijärven polkkaa!

失われた懐かしい湖岸
流浪の身でも慰められる
追憶の調べが聞こえれば
サッキヤルヴェン・ポルカ!

Se polkka on vain, mutta sellainen,
että tielle se johtavi muistojen.
On sointuna Karjalan kaunoisen:
Säkkijärven polkka!

それは単なるポルカじゃなくて
良き追憶へと続く道
美しきカレリアの調べ
サッキヤルヴェン・ポルカ!

Tule, tule tyttö, nyt kanssani tanssiin,
kun polkka niin herkästi helkähtää.
Hoi! Hepo surkoon ja hammasta purkoon,
kun sillä on ihmeesti suurempi pää!

おいで娘よ 私と踊ろう
優しく響くポルカの音色
ホイ! 馬は嘆いて歯軋りしてる
だって頭でっかちだから!

Tule, tule, tyttö, nyt kanssani tanssiin
kun meillä on riemu ja suvinen sää!
Säkkijärvi se meiltä on pois,
mutta jäi toki sentään polkka!

おいで娘よ 俺と踊ろう
夏の夜の喜びを楽しもう
サッキヤルヴィは失われても
ポルカは残されたのだから!

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