ボギー大佐マーチ(クワイ河マーチ)
Colonel Bogey March

映画「戦場にかける橋」テーマ曲として世界的に有名な行進曲

ボギー大佐マーチ Colonel Bogey March』は、イギリス軍楽隊のケネス・アルフォードが1914年に作曲した行進曲。

1957年公開の映画「戦場にかける橋」において、マルコム・アーノルドが『クワイ河マーチ The River Kwai March』としてカバーし世界的に有名になった。

「戦場にかける橋」の舞台となったクウェー川鉄橋

写真:「戦場にかける橋」の舞台となったクウェー川鉄橋(出典:Wikipedia)

『クワイ河マーチ The River Kwai March』は、日本の子供たちの間で「♪サル、ゴリラ、チンパンジー♪」と替え歌されて広まっていった。

映画「戦場にかける橋」の原作者ピエール・ブールは、映画「猿の惑星」の原作者でもあり、替え歌という形でサルと『クワイ河マーチ』がマッチングしているのは非常に興味深い。

ジャケット写真: 戦場にかける橋 HDデジタルリマスター版 [Blu-ray]

ところで、曲名の「ボギー大佐」とは人名のように見えるが、実際にはどんな意味や由来があるのだろうか?簡単に調べてみた結果をご紹介してみたい。

【試聴】Colonel Bogey March (Original)

【試聴】マーチングバンドによるボギー大佐マーチ

ゴルフのボギーが関係?

ボギー大佐」とは人名なのか何なのか?ゴルフのボギーと何か関係があるのだろうか?ウィキペディアで簡単に調べてみると、やはりゴルフと関連した解説がなされていた。

ゴルフのティーショット

ウィキペディア「ボギー大佐」より該当部分を次のとおり引用する。

この曲の最初の2音は、ゴルフでボギーを叩いた際に吹く口笛を表現しているとされる。またアルフォードの友人にゴルフの際、いつもボギーばかりたたく人物がおり、彼のあだ名が「カーネル・ボギー」であった。

<引用:ウィキペディア「ボギー大佐」より>

この解説が正しければ、「ボギー大佐」はゴルフ用語のボギーに由来しており、モデルとなる人物も存在していたということになりそうだ。

ただ残念ながら、これを裏付ける客観的な資料は示されていなかった。

英語版ウィキペディアでは別の説明も

さらなる情報を求めて英語版ウィキペディアで「ボギー大佐」を調べてみると、驚くことに、日本語版とは全く異なる説明がなされていたのでご紹介したい。

まずは、「曲の最初の2音」の由来に関する記述を次のとおり引用する。

Supposedly, the tune was inspired by a military man and golfer who whistled a characteristic two-note phrase (筆者中略) instead of shouting "Fore!"...

<引用:英語版ウィキペディア「Colonel Bogey March」より>

この解説によれば、「曲の最初の2音」は、ゴルフコースで観客の方へボールが飛んでしまった際の、「ファー!(Fore!)」という掛け声・叫び声の代わりの口笛から着想したメロディのようだ。

日本語版の説明とは異なるが、これについても客観的な資料が示されていなかったため、その信ぴょう性については文献等の裏付けが必要と思われる。

ボギーは幽霊?

次に「ボギー大佐」の名前の由来については、次のように解説されていた。該当部分を次のとおり引用する。

The name "Colonel Bogey" began in the late 19th century as the imaginary "standard opponent" of the Colonel Bogey scoring system,[2] and by Edwardian times the Colonel had been adopted by the golfing world as the presiding spirit of the course.

<引用:英語版ウィキペディア「Colonel Bogey March」より>

この解説によれば、「ボギー大佐 "Colonel Bogey"」という名前は、ゴルフのスコアリングで基準打数を決めるための「架空の競争相手」として、19世紀後半頃から使われていた名称のようだ。

これは簡単に補足すると、ゴルフはかつて1対1で行われるマッチプレーだったが、現在のような個人プレーに移行する際、コースごとに基準となる標準打数を決めるために、架空の競争相手がその標準スコアを記録したかのような設定が必要になったことに由来している。

つまり、個人プレーのゴルフとは、架空の競争相手である「ボギー大佐」とマッチプレーをしているのと同じであり、ボギー大佐のスコアより少ないストロークならアンダーとなるという想像上の設定がなされていたのである。

この「架空の競争相手」説については、英語版ウィキペディアに客観的な文献が示されており、信ぴょう性が高い。

架空の競争相手がなぜ「ボギー」?

残された疑問としては、「架空の競争相手」がなぜ「ボギー」という名前なのか?という点がある。

この点については、こちらのページ「ゴルフのボギー 意味・語源・由来」で解説している。ボギーはお化けだった?!

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