トルコ行進曲
劇付随音楽『アテネの廃墟(The Ruins of Athens)』(1811年)
ベートーベン(Ludwig van Beethoven/1770-1827)

オスマン帝国の軍楽隊メフテルの打楽器が刻む衝撃のリズム

エリーゼのために/珠玉のピアノ名曲集

 『トルコ行進曲』といえばモーツァルトの「ピアノ・ソナタ第11番イ長調 K331 第3楽章」が有名だが、ベートーヴェンも「トルコ行進曲」と称される作品を残している。

 ベートーヴェンの劇付随音楽『アテネの廃墟(The Ruins of Athens)』(1811年)の一つで、ピアノ変奏曲作品76の主題が転用されたものだ。

 「アテネの廃墟」は、トルコに征服されて廃墟となったアテネ(ペスト)を王が救うという物語で、最後はハンガリー王であるフランツI世が称えられる。

オスマン帝国の軍楽隊がルーツ?

 『トルコ行進曲』は、西欧の作曲家がオスマン帝国の軍楽隊の音楽にインスピレーションを受けて作曲した行進曲である。

 オスマン帝国は行軍の時にメフテルと呼ばれる軍楽隊を引き連れていくことが多く、その独自のリズムとメロディーは当時のヨーロッパの人々に大きな衝撃を与えた。

 メフテルによる軍楽には、打楽器が一定のリズムを終始繰り返し展開するという共通した特徴があり、その独特のリズムをピアノ曲等に取り入れた作品がモーツァルトやベートーヴェンなどの「トルコ行進曲」と呼ばれている。今日まで伝わるトルコ軍楽としては「ジェッディン・デデン(祖先も祖父も)」が特に有名。

(楽譜:軍楽隊メフテルにより共通に用いられる打楽器のリズム/出典:Wikipedia)。

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