神はわがやぐら(み神は城なり)
A Mighty Fortress Is Our God

讃美歌・聖歌/マルティン・ルターが作曲? バッハも歌詞を転用

God is our refuge and strength, a very present help in trouble.

神は我らの避け所 我らの力
苦難の時のいと近き助け

この一文で始まる旧約聖書の詩篇46篇(Psalm 46)を元にして、讃美歌・聖歌『神はわがやぐら(み神は城なり)A Mighty Fortress Is Our God』が16世紀に作曲された。ドイツ語のタイトルは『Ein' feste Burg ist unser Gott』。

作曲者については諸説あるようだが、宗教改革の中心人物として歴史にその名を残す16世紀ドイツの神学者マルティン・ルター(Martin Luther/1483-1546)が作詞作曲を行ったとする考え方が有力なようだ。

クラシック音楽への転用も

ドイツの大作曲家J.S.バッハによる18世紀前半の教会カンタータ『われらが神は堅き砦 Ein feste Burg ist unser Gott』BWV80 は、このマルティン・ルターによる賛美歌『神はわがやぐら』全4節の歌詞に作曲された作品となっている。以下の8曲から成る。

第1曲 合唱『われらが神は堅き砦』
第2曲 アリア『神より生まれし者はすべて』
第3曲 レチタティーヴォ『思い見よ、神の子とせられし者よ』
第4曲 アリア『来たれ、わが心の家に』
第5曲 コラール『悪魔が世に満ちて』
第6曲 レチタティーヴォ『さればキリストの旗の下に』
第7曲 二重唱『幸いなるかな』
第8曲 コラール『世の人福音を蔑ろにせしとも』

J.S.バッハ『われらが神は堅き砦』以外にも、メンデルスゾーン『交響曲第5番 宗教改革』フィナーレ、マックス・レーガーのオルガンによるコラール変奏曲(作品27)などのほか、リヒャルト・ワーグナー『皇帝マーチ Kaisermarsch』のモチーフとして使われるなど、讃美歌『神はわがやぐら』は古くから多くの人々に受け入れられ、愛唱され続けている。

スタンドバイミーと詩篇46篇の関係は?

最後に、詩篇つながりで有名なポップスにも言及させていただきたいのだが、詩篇46篇2節・3節の文言は、映画主題歌としてリバイバルヒットしたベン・E・キングの世界的大ヒット曲『スタンドバイミー Stand By Me』の歌詞にも影響を与えていると考えられている。

詩篇46篇2節・3節では、海が湧き山が海へ、といった天変地異的な内容が記述されているが、これと似た表現が『スタンドバイミー Stand By Me』の歌詞の一部に見受けられるというのだ。

詳細については、こちらの解説ページ「ベン・E・キング スタンドバイミー Stand By Me 歌詞の意味・日本語訳・試聴」を適宜参照されたい。ちなみに同曲は、旧約聖書の一つイザヤ書などの聖書の表現からも影響を受けているようだ。

【試聴】A Mighty Fortress Is Our God

英語版の歌詞 1番・日本語版の歌詞

A mighty fortress is our God, a bulwark never failing;
Our helper He, amid the flood of mortal ills prevailing:
For still our ancient foe doth seek to work us woe;
His craft and power are great, and, armed with cruel hate,
On earth is not his equal.

神はわがやぐら わが強き盾
苦しめるときの 近き助けぞ
おのが力 おのが知恵を
たのみとせる よみのおさぞ
げにおぞましき

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