主われを愛す 歌詞の意味・和訳

童謡『シャボン玉』の原曲?日本人に最も愛唱された讃美歌

日本人が始めて日本語で歌い、日本人に最も愛唱されたと言っても過言ではない讃美歌『主われを愛す』。原題『Jesus Loves Me』(ジーザス・ラブス・ミー)。

元々の歌詞(英語)は1860年に出版されたアンナ・ワーナー(Anna Bartiett Warner/1820-1915)の小説「Say and Seal(1860)」の第2巻第8章の一節。 主人公の少女フェイスが見守るなか天に召されようとする幼いジョニーの口から漏れ聞こえる歌であった。

その後David Rutherford McGuireによって新たな節が加えられ、1862年にブラッドベリー(William Batchelder Bradbury/1816-1868)によってメロディーが付けられた際、コーラス部分が付け加えられた。

この「主われを愛す」のメロディーは、明治26年には唱歌「運動」、明治後期には唱歌「虹」など、日本でいくつかの唱歌に用いられている。

【試聴】主われを愛す Jesus Loves Me

【試聴】Jesus Loves Me - Church Hymn

歌詞(英語)の意味・和訳(意訳)

Jesus loves me! This I know,
For the Bible tells me so.
Little ones to Him belong;
They are weak, but He is strong.

主が私を愛してくださることを
私は知っている
それが聖書の教えです
主に属する小さく弱き者たち
しかし主は強くあられる

Chorus:
Yes, Jesus loves me!
Yes, Jesus loves me!
Yes, Jesus loves me!
The Bible tells me so.

そう 主は私を愛してくださる
それが聖書の教えです

Jesus loves me he who died
heaven's gate to open wide.
He will wash away my sin,
let his little child come in.

私を愛してくださる主は死なれ
天国の門は大きく開かれた
主は我らの罪をあがない
小さき子らを招き入れた

Chorus:

Jesus loves me, this I know,
as he loved so long ago,
taking children on his knee,
saying, "Let them come to me."

主が私を愛してくださることを
私は知っている
長きにわたる主の愛
子らをひざに抱きかかえ
「子らを私のところへ」と招かれる

Chorus:

讃美歌461番 「主われを愛す」

主(しゅ)われを愛す 主は強ければ
われ弱くとも 恐れはあらじ

(くりかえし) わが主イェス わが主イェス
わが主イェス われを愛す

わが罪のため さかえをすてて
天(あめ)よりくだり 十字架につけり

みくにの門(かど)を ひらきてわれを
招きまたえり いさみて昇らん

わが君(きみ)イェスよ われをきよめて
よきはたらきを なさしめたまえ

「シャボン玉」との意外な共通点とは?

日本人なら一度は耳にしたことのあるであろう童謡「シャボン玉」。作曲は「証城寺の狸囃子」「黄金虫(こがねむし」などでおなじみの中山晋平。

シャボン玉」のメロディが「主われを愛す」の曲調と良く似ていることは知られているが、実は似ているのは意外にもメロディだけではなかった。

消え行く幼き命への切なき祈り

シャボン玉」の作詞者である野口雨情は、明治41年3月に長女みとりを生まれてすぐに亡くすという体験をしている。

はかなき幼い命への切ない想いが「シャボン玉」の歌詞に込められていると言われているが、「主われを愛す」の原詩も若くして亡くなった少年の話であり、「消え行く幼き命への祈り」という点が共通していると言える。

野口雨情又は中山晋平がこの原詩のストーリーを知っていたのかについては定かではないが、この共通点は非常に興味深い。

他人の空似などではない

なお、奈良教育大学の安田寛教授はその著書の中で、「シャボン玉」と「主われを愛す」の関係について以下のように指摘している。

・・・童謡「シャボン玉」と讃美歌「主われを愛す」の類似は他人の空似などではけっしてなく、「シャボン玉」は「主われを愛す」の生まれ変わりであるといわざるを得ない。

<引用:安田寛「唱歌という奇跡 十二の物語」文藝春秋より>

安田寛「唱歌という奇跡 十二の物語」

キリスト教に基づく近代教育は、圧倒的な力でアジア太平洋地域を席捲した。各地の歌謡も讃美歌を歌うことで近代化、西洋化された。

それは逆にいえば、長い伝統をもつ、それぞれの地域の歌舞、詩歌が根絶やしにされるということでもあった。

安田寛「唱歌という奇跡 十二の物語」

その中で唯一、讃美歌を換骨奪胎して生まれた“ミラクル”が、日本の「唱歌」だった…。

「シャボン玉」「むすんでひらいて」「蛍の光」「蝶々」「さくらさくら」など、十二の愛唱歌に秘められた歴史のミステリー。

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