星の世界(星の界) 歌詞の意味

小学校の音楽教科書にも掲載される賛美歌の替え歌

『星の世界』は、賛美歌『いつくしみ深き』のメロディに別の日本語歌詞をつけた日本の楽曲。作詞:川路柳虹。小学校の音楽教科書に掲載され、音楽の授業で歌われることがある。

同様の替え歌は、明治43年(1910年)に文部省唱歌『星の界(よ)』として歌われていた(作詞:杉谷代水)。

天の川と親子

賛美歌『いつくしみふかき』との関係はメロディのみで、賛美歌の歌詞の内容は星や宇宙とは直接関連していないが、キリスト教の世界観は宇宙的な要素もあり、両者は全くの無関係とは言えないだろう。

なお、賛美歌『いつくしみ深き』のメロディを用いた替え歌は『星の世界』にも何曲かある。中学校の音楽教科書に掲載された作品としては、「澄みゆくみ空に 夕日は落ちて」が歌い出しの『秋に寄せて』、「月影さやけき 近江の湖(うみ)に」が歌い出しの『懐古』などが知られている。

【試聴】星の世界 合唱

【試聴】文部省唱歌 『星の界(ほしのよ)』

星の世界(作詞:川路柳虹)

かがやく夜空の 星の光よ
まばたく数多(あまた)の 遠い世界よ
ふけゆく秋の夜 すみわたる空
のぞめば不思議な 星の世界よ

きらめく光は 玉か黄金(こがね)か
宇宙の広さを しみじみ思う
やさしい光に まばたく星座
のぞめば不思議な 星の世界よ

歌詞の意味・補足

「かがやく」「まばたく」「ふけゆく」と「く」の音で韻を踏んでいる。リズム感と統一感があり、小学生にも覚えやすく歌いやすい。文の最後が「よ」で終わっているのも同様の配慮か。

「ふけゆく秋の夜」というフレーズは、明治時代の唱歌『旅愁(りょしゅう)』の冒頭に登場する。「ふけゆく」とは、「(秋が)深まっていく」という意味。

「のぞめば」とは、はるか遠くを眺めること。

星の界(作詞:杉谷代水)

月なきみ空に きらめく光
嗚呼その星影 希望のすがた
人智は果てなし 無窮(むきゅう)の遠(おち)に
いざその星影 きわめも行かん

雲なきみ空に 横とう光
嗚呼洋々たる 銀河の流れ
仰ぎて眺むる 万里のあなた
いざ棹(さお)させよや 窮理の船に

歌詞の意味・補足

「月なきみ空」は「月無き御空」、つまり「月が無い空」の意味。

「人智」とは、人間の知恵・知能。

「無窮(むきゅう)」とは、果てしないこと、無限、永遠。

「きわめも行かん」は、深く研究して明らかにしよう、究めよう、といった意味

「横とう」は、横たわる。

「洋々たる」とは、水があふれるばかりに満ちているさま。銀河を大河に見立てている。

「あなた」とは「彼方(かなた)」、つまり離れた場所や方向を表す。

「窮理(きゅうり)」とは、物事の道理・法則を明らかにすること。

秋に寄せて(作詞:山崎紀一郎)

澄みゆくみ空に 夕日は落ちて
くれない燃え立つ 雲間に高く
ねぐらを指しゆく 名知らぬ鳥の
鳴きゆく声こそ 秋のおとずれ

<筆者注:昭和30年代に中学校の音楽教科書に掲載された>

懐古(作詞:草月泰子)

月影さやけき 近江の湖(うみ)に
栄えし昔の 都をしのぶ
美し人々 裳(も)すそひきて
月見につどいし 姿ぞゆかし

<筆者注:昭和20年代に中学校の音楽教科書に掲載された>

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