
「スカボローフェア」と聞くと、おそらくサイモン&ガーファンクルのアレンジバージョンを思い出す方が多いと思いますが、これは彼らが1966年に発表したサードアルバムで発表されたもので、映画「卒業」の挿入歌としても有名です(右の写真はベストアルバム)。
彼らは人生におけるその20代をベトナム戦争一色の時代の中で過ごし、その数々の作品の中において「反戦」をテーマとした曲をいくつか発表しており、この「スカボローフェア」もそうした反戦のメッセージが込められたアレンジが施されているようです。
さて、本来のスカボローフェアは、ベトナム戦争とはまったく関係がありません。もともとの「スカボローフェア」は、16世紀頃のブロードサイド・バラッドで広まったイングランド民謡を元にしているようですが、皆さんがご存知の歌詞以外にも様々なタイトル・歌詞で歌われていたようです。
15世紀前後の民謡の多くは吟遊詩人によって口頭で歌い継がれてきたもので、そのメロディや歌詞のバリエーションは多種多様なものがありますが、この「スカボローフェア」についても、今日のS&Gのアレンジを含め、長い時間をかけて多くの人によって様々なアレンジや作詞が行われてきているようです。
次のページからは、過去の「スカボローフェア」の様々なバージョンの歌詞、そしてその源流に迫ってみたいと思います。まずは、16世紀頃から広まった「ブロードサイドバラッド」の解説からスタートです。