ドナドナの意味・由来は?

小岸 昭 著「離散するユダヤ人」(岩波新書)より

「ドナドナドーナ ドーナ 子牛を乗せて~♪」の物悲しいサビのメロディが印象的な『ドナドナ』だが、このコーラス部分の「ドナ」とは一体何を意味している言葉なのだろうか?

この点について、小岸 昭 著「離散するユダヤ人」(岩波新書)の中に関連した記述があるのでご紹介したい。

「離散するユダヤ人」は、1492年にスペインを追放された15万人以上のユダヤ人の足跡をたどって、作者がモロッコ・エジプト・イスラエルを旅してその過酷な歴史を紐解いていくというノンフィクション。

作者の小岸氏は、イスラエルの旅に出る前から、「ドナ」は「アドナイ(ドイツ語で『わが主』を意味する)」の短縮形であるという考えをもっており、この旅はその確認の意味も込められていたとのこと。

今回の旅はそんな彼の考えを裏付けるはずだったのだが、実際にイスラエルの人々に意見を伺ってみると、「あれは水だ。」とか「あれは、ロシアから伝わってきた歌だからドナとは川、もっと厳密に言えばドン川」などと言った答えが返ってきて、作者はかなりショックを受けたようだ。

しかも、エルサレム・ヘブライ大学でイディッシュ文学を専攻している学生からは、「アドナイ」の短縮形が「ドナ」になることは絶対にない、と明確に否定までされてしまったという。

結局この旅では、彼の考えを裏付ける証言に出会うことはできなかったようだが、作者は最後に、「この人々の心を無意識に惹きつけてやまない言葉はユダヤ人にとって自由への希望であった」と締めくくっている。

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