冬の旅
Winterreise, D911, Op.89
シューベルト(Franz Peter Schubert/1797–1828)

シューベルト晩年に完成された絶望と悲しみの歌曲集

シューベルト:冬の旅

「冬の旅」作品89(D911)は、シューベルトが亡くなる一年前の1827年に作曲した連作歌曲集。『菩提樹(ぼだいじゅ)』が特に有名。

歌詞はドイツの詩人ヴィルヘルム・ミュラーの詩集に基づく。2部に分かれた24の歌曲からなる。

失恋した若者が、絶望と悲しみの中で、街を捨ててさすらいの旅を続けていく様子が描写されている。

ベートーヴェンの死が大きな打撃に

シューベルトの健康は、1823年に体調を崩し入院して以来、下降に向かっていた。経済的にも困窮し、性格も暗くなり、次第に死について考えるようになっていった。

とりわけ、ベートーヴェンの死は彼に大きな打撃を与えた。シューベルトはこの詩集の若者の姿に自分を投影したとも言われている。

1828年、シューベルトは突然腸チフスに冒され、2週間の闘病の後、11月19日に兄フェルディナントの家で死去した。まだ31歳9ヶ月の若さであった。

歌曲集・冬の旅 対訳と分析

第1部

おやすみ Gute Nacht
風見の旗 Die Wetterfahne
凍った涙 Gefrorne Tränen
氷結 Erstarrung
菩提樹 Der Lindenbaum
溢れる涙 Wasserflut
川の上で Auf dem Flusse
回想 Rückblick
鬼火 Irrlicht
休息 Rast
春の夢 Frühlingstraum
孤独 Einsamkeit

第2部

郵便馬車 Die Post
霜おく頭 Der greise Kopf
烏 Die Krähe
最後の希望 Letzte Hoffnung
村にて Im Dorfe
嵐の朝 Der stürmische Morgen
まぼろし Täuschung
道しるべ Der Wegweiser
宿屋 Das Wirtshaus
勇気 Mut
幻の太陽(三つの太陽) Die Nebensonnen
辻音楽師 Der Leiermann

【関連ページ】 どこかで聞いたクラシック特集へ

【試聴】 シューベルト「冬の旅」より 第23曲 『幻の太陽』