「愛の妙薬（あいのみょうやく） L'elisir d'amore」は、ドニゼッティ作曲の全2幕からなるオペラ・歌劇。1832年初演。

第2幕で主人公ネモリーノが歌うアリア『人知れぬ涙 Una furtiva lagrima』（ネモリーノのアリア）が特に有名。

アディーナに想いを寄せるネモリーノ

舞台は18世紀の終わり頃、スペイン・バスク地方の小さな村。

単純で間抜けな貧しい農民ネモリーノは、美しい少女アディーナに想いを寄せていた。

アディーナは、裕福な農家の娘。美人で頭も良いがちょっと高慢。愚鈍で弱気なネモリーノには冷たい態度を取っていた。

ある日、村外れに宿営しているベルコーレ軍曹が行軍を率いて現れる。その洗練された物腰と凛々しい軍服姿にアディーナは一目惚れ、ネモリーノは焦った。

【YouTube】ドミンゴ 『人知れぬ涙 Una furtiva lagrima』

ドゥルカマーラ博士が売りつけた「愛の妙薬」とは？

そこへ怪しい薬売りドゥルカマーラ博士が登場。ネモリーノはすがる思いで「恋がかなう愛の妙薬（いわゆる惚れ薬）」を注文すると、博士はワインを秘薬と偽って高値で売りつけた。

しかしアディーナはベルコーレの求婚に応じてしまう。さらに進軍前に急いで婚礼を挙げることに。

ところが婚礼が始まり結婚の誓約となると、なぜか躊躇して二の足を踏むアディーナ。

あきらめないネモリーノはもう1本秘薬を購入するが、飲み干して眠り込んでしまう。

一夜にしてネモリーノは時の人に

その頃、村娘たちはネモリーノの噂で持切りになっていた。なぜなら、彼の裕福な伯父が死んで、残った巨額の遺産はネモリーノがすべて相続することになったからだ。

酔いから醒めたネモリーノは村一番の人気者に。アディーナは、ネモリーノへの愛に気付き、彼に愛を告白。

結ばれた2人を村人は祝福し、ドゥルカマーラ大先生の「愛の妙薬」の効能を一同で賞賛して大団円。

ドニゼッティ:歌劇 《愛の妙薬》 [DVD] 1991年11月、メトロポリタン歌劇場にて行われたジェイムズ・レヴァイン指揮による演奏。ネモリーノ役はパヴァロッティ。アディーナ役はキャスリーン・バトル。

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