映像/忘れられた映像

クロード・ドビュッシー(Claude Achille Debussy/1862-1918)

ドビュッシーによるピアノ曲集『映像』第1集・第2集が作曲されたのは、ドビュッシーが40代を迎えていた1905年から1907年頃のこと。

この頃のドビュッシーは、1902年初演のオペラ『ペレアスとメリザンド』で大きな成功を収め、1903年のピアノ曲集『版画』、1904年のピアノ独奏曲『喜びの島』、1905年の管弦楽曲(交響詩)『海』など、作曲家としてのキャリアを確固たる物としていた。

写真中央の細長い建物は、1902年頃にドビュッシーが住んでいたパリ第17区カルディネ通り58番地のアパート(Google Mapより)。1905年以降は第16区のマレシャル=ド=ラトル=ド=タシニー広場付近に住んでいる。

映像 第1集 1904-1905年

映像 第2集 1907年

  • 葉ずえを渡る鐘(葉蔭を漏れる鐘の音)Cloches à travers les feuilles
  • 荒れた寺にかかる月(そして月は廃寺に落ちる)
    Et la lune descend sur le temple qui fut
  • 金色の魚 Poissons d'or

管弦楽のための『映像』

ジーグ(ジグ) Gigues

スコットランド音楽が題材。1905年に女性歌手のエンマ・バルダックと出かけたイギリス旅行から影響を受けたとされる。作曲時期:1909-1911。

イベリア Ibéria

スペインの民族音楽が題材。「街の道と田舎の道」、「夜の薫り」、「祭りの日の朝」の3曲からなる。独立して演奏される機会も少なくない。作曲時期:1905-1908。

春のロンド Rondes de printemps

フランス民謡・童謡『もう森へは行かない』のメロディが引用されている。作曲時期:1905-1909。

忘れられた映像 Images oubliées

1894年に作曲され、戦後の1977年に初めて出版された遺作。「忘れられた映像」とのタイトルは出版社が命名した。

「レント」、「ルーヴルの思い出」、「嫌な天気だから『もう森へは行かない』の諸相」の3曲からなる。3曲目では、管弦楽のための『映像』第3曲「春のロンド」でも使われたフランス民謡・童謡『もう森へは行かない』のメロディが登場する。

ドビュッシーによる1903年のピアノ曲集『版画』第3曲「雨の庭」は、この3曲目から改作されたと考えられているようだ。

【試聴】忘れられた映像 演奏:Elizabeth Arenas

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