ハゲの数え歌 一つ人よりハゲがある

日本の童謡・わらべうた・数え歌

『ハゲの数え歌』は、昭和時代の小学生を中心に広まっていたと思われる日本のわらべうた・数え歌。決まった曲名はないようだが、『ハゲの数え歌』で大きな間違いはないだろう。

ストレートで身も蓋もない歌詞はシンプルかつコミカルで、子供たちの自由奔放な感性と時に辛辣なユーモアに満ち溢れている。

歌詞の一例

一つ 人よりハゲがある

二つ ふもとにハゲがある

三つ 三日月ハゲがある

四つ 横にもハゲがある

五つ いつでもハゲがある

六つ 向こうにハゲがある

七つ 斜めにハゲがある

八つ やっぱりハゲがある

九つ ここにもハゲがある

十で とうとうつるっぱげ

いなかっぺ大将『大ちゃん数え唄』との関係は?

数え歌『ハゲの数え歌』を語る上で、決して避けて通れないアニメがある。そのアニメとは、1970年(昭和45年)10月から2年間放送された大ヒット作「いなかっぺ大将」である。

「いなかっぺ大将」の主題歌は、女性演歌歌手・天童よしみが歌った『大ちゃん数え唄』。「一つ人より力持ち 二つふるさとあとにして」が歌い出しの数え歌となっており、作詞は『河内おとこ節』の石本美由起(男性作詞家)が担当した。

さて、『大ちゃん数え唄』の冒頭の歌詞「一つ人より力持ち」をみると、『ハゲの数え歌』の歌い出し「一つ人よりハゲがある」と前方が完全に一致しているのがよく分かる。

もし、『ハゲの数え歌』に元ネタがあるとしたら、この『大ちゃん数え唄』が最も可能性が高いと思われるが、実際のところ、『ハゲの数え歌』がいつ頃から広まったものなのか、『大ちゃん数え唄』の前から存在していたのか等については明らかではない。

ドリフ「8時だョ!全員集合」

興味深い情報をご提供いただいたので、一部引用してご紹介したい。情報提供感謝いたします。

ザ・ドリフターズのお笑い番組「8時だョ!全員集合」では、聖歌隊のコーナーで、歌手の由紀さおりが(当時ドリフのメンバーだった)荒井注に対して使った数え歌です。 「1つ2つはいいけれど、3つ醜いハゲがある・・・」(以降は掲載されている内容と同様です)

ドリフのお笑い番組が、当時の子供たちに絶大な影響力を持っていたことは言うまでもなく、『ハゲの数え歌』の認知度に大きな影響を与えたに違いない。このドリフ版が元祖である可能性もありそうだ。

桃太郎侍の口上も数え歌

ちなみに、1976年10月から放送されたテレビドラマ「桃太郎侍」(ももたろうざむらい)オープニングでは、高橋英樹演じる桃太郎侍の決め台詞・口上として、次のような短い数え歌が人気となった。時期的に『ハゲの数え歌』とは直接関連はないだろうが、参考までに。

「ひとつ 人の世の生き血を啜り」
「ふたつ 不埒な悪行三昧」
「みっつ 醜い浮き世の鬼を退治てくれよう、桃太郎」

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