山の人気者

ヨーデル名曲/アルプスの娘たちに大人気のミルク売り

『山の人気者』は、曲中にスイス民謡・ヨーデル風の発声が取り入れられた日本の歌謡曲。1934年(昭和9年)に中野忠晴とリズムボーイズのコーラスでレコード化され大ヒットした。

原曲は、イギリスで活躍したシンガーソングライターのレスリー・サロニー(Leslie Sarony/1897-1985)が1930年に発表した『The Alpine Milkman』(アルパイン・ミルクマン/「アルプスのミルク屋」の意)。

『The Alpine Milkman』は世界的なヒット曲となり、様々な楽団がカバーやアレンジ盤をリリースしたほか、アメリカで1933年にカントリー歌手エルトン・ブリット(Elton Britt)がウェスタン調でカバーしている。

日本でも様々なカバー

日本でカバーされた『山の人気者』は、本牧 二郎の訳詞による歌詞がつけられたとされているが詳細は不明。この訳詞によれば、アルプスのミルク屋は歌がうまく、娘たちにも大人気なようだ。

その後、日本で「キング・オブ・ヨーデル」の異名を持つ歌手ウイリー沖山(1933-)のレパートリーとして、彼のヨーデル歌手としての能力が遺憾なく発揮される代表曲となった。ダークダックスもカバーしている。

なお、2000年には、『山の人気者』のサビのメロディの一部が翻案されたと思われる焼肉食べ放題のコミックソング『ヨーデル食べ放題』がラジオ番組を通じて話題の曲となり、息の長いヒットを記録している。

【試聴】ウィリー沖山 『山の人気者』

【試聴】レスリーサロニー Leslie Sarony 『The Alpine Milkman』 (1930)

歌詞:『山の人気者』 (本牧二郎訳詞)

1.
山の人気者 それはミルク屋
朝から夜まで 歌を振り撒く
牧場は広々 声は朗らか
その節の良さは アルプスの花

娘という娘は ユーレイティ
フラフラと ユーレイティ
ミルク売りを慕い ユーレイティ
ユーレイ ユーレイティ

ラララ
さすがは喉自慢 すごい腕前
乳搾るそばに招き寄せて
娘たちを惑わせる

2.
山のミルク屋は いつも朗らか
乳搾る間も 歌を忘れず
のどかな歌声 丘より谷へ
アルプスの峰に こだまを返す

娘という娘は ユーレイティ
フラフラと ユーレイティ
ミルク売りを慕い ユーレイティ
ユーレイ ユーレイティ

ラララ
ミルク屋が来れば 山の娘は
機織る(はたおる)手を休め 窓の外
通る歌に聞き惚れる