ベートーヴェン(ベートーベン)というと、『運命(交響曲第5番)』、『交響曲第7番』、『交響曲第9番(いわゆる第九)』などの交響曲を真っ先に思い浮かべる方も少なくないだろう。しかし、ベートーヴェンは意外に多くのピアノソナタを残している。
ピアノ・ソナタ 変イ長調 第12番(作品26)は、ベートーヴェンによる1800年頃の作品。第三楽章に置かれた『ある英雄の死を悼む葬送行進曲』と副題のつけられたマエストーソ・アンダンテから、「葬送」の通称で親しまれている。この楽章は単独で管弦楽や吹奏楽などに編曲され、要人の葬儀で演奏される機会も多い。
ピアノソナタではあるが、ソナタ形式の楽章をひとつも含まない組曲風の構成となっていて、従来のソナタを大きく脱却している。
4つの楽章は非常にバリエーションに富んでいる。特に第一楽章の変奏曲や最終楽章の対位法は、ベートーヴェンの最後期のピアノソナタで再び深く追求される題材となっている。
曲の内容とは全く関連性がないが、ベートーヴェン「葬送」の第4楽章の中に、日本の民謡「証城寺の狸囃子(しょうじょうじのたぬきばやし)」とよく似たメロディーが登場する。
もちろん偶然の一致とは思われるが、コミカルな「証城寺の狸囃子」のイメージが強烈すぎて、ベートーヴェンのピアノソナタ「葬送」の方が何だか茶化されているような感じがしてならない。
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