蛍の光 歌詞の意味・現代語訳

蛍の光 窓の雪 書(ふみ)読む月日 重ねつつ

『蛍の光(ほたるのひかり)』は、1881年(明治14年)に「小学唱歌集初編」で発表された日本の唱歌。卒業シーズンに歌われる卒業ソングの定番曲

原曲は、スコットランド民謡『オールド・ラング・ザイン Auld Lang Syne』。日本語歌詞の作詞者は国学者・教育者の稲垣 千穎(いながき ちかい/1845-1913)。

原曲のスコットランド民謡『オールド・ラング・ザイン Auld Lang Syne』を三拍子に編曲した『別れのワルツ』は、閉店・閉館時のBGMとしてよく用いられる。

別れのワルツ』編曲者は、2020年のNHK朝ドラマ「エール」で主人公のモデルとされた古関裕而(こせき ゆうじ)

ちなみに原曲のスコットランド民謡は、アメリカやイギリス、スコットランドなど英語圏の国々では、大晦日のカウントダウンで年が明けた瞬間に歌われる新年ソングとなっている。

なお、冒頭の歌詞「蛍の光 窓の雪」は、中国の故事・ことわざ「蛍雪の功(けいせつのこう)」の内容に基づいている。

【YouTube】 蛍の光(フルコーラス)

歌詞

蛍の光 窓の雪
書(ふみ)読む月日 重ねつつ
何時(いつ)しか年も すぎの戸を
開けてぞ今朝は 別れ行く

止まるも行くも 限りとて
互(かたみ)に思ふ 千万(ちよろず)の
心の端(はし)を 一言に
幸(さき)くと許(ばか)り 歌ふなり

筑紫(つくし)の極み 陸(みち)の奥
海山遠く 隔(へだ)つとも
その真心は 隔て無く
一つに尽くせ 国の為

千島(ちしま)の奥も 沖繩も
八洲(やしま)の内の 護(まも)りなり
至らん国に 勲(いさお)しく
努めよ我が兄(せ) 恙(つつが)無く

歌詞の意味・現代語訳(意訳)

1.
蛍の淡い光や 月光の雪明かりを窓から取り入れ
書物を読む日々を重ねていると
いつの間にか年月は過ぎ去っていき
今朝は杉の戸を開け 級友と別れていく

2.
故郷に残る者も 去り行く者も
今日限りなので 互いに思い合う無数の想いを
たった一言「幸あれ(どうかご無事で)」と歌うのだ

3.
九州の果てでも 東北(陸奥)でも
海や山で遠く隔てられても
真心は隔てられることはなく
ひたすらに力を尽くせ 国のため

4.
千島列島の奥も 沖縄も
日本国の護りの要(かなめ)
統治の及ばぬ異国には勇敢に
尽力せよ我が兄弟 無事であれ

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