ペチカ

雪の降る夜は楽しいペチカ ペチカ燃えろよ お話しましょ

『ペチカ』は、1924年(大正13年)刊行の「満州唱歌集」に掲載された日本の童謡・唱歌。作詞:北原白秋、作曲:山田耕筰

満州(現在の中国東北部)への移民向けに、南満州教育会からの依頼で作曲された。満州の厳しい冬を念頭に置いた曲だが、特に地名や固有名詞は使われていないので、満州が舞台ではなく、一般的な冬の暖炉の歌として今日まで愛唱されている。

「ペチカ(ペーチカ/ペィチカ/ピェーチカ)」とは、レンガなどで造られた暖炉の一種。北欧生まれのペチカは、ロシアを経由して1880年頃に開拓使により北海道に導入された。

ペチカは暖房としての立ち上がりが遅いのが欠点だが、一度暖まるとペチカ特有の心地よさがある。部屋と部屋の間仕切りとして設置することにより、複数の部屋(2~4部屋)を同時に暖めることができる。

試聴・歌詞:『ペチカ』

雪の降る夜は 楽しいペチカ
ペチカ燃えろよ お話しましょ
昔 昔よ 燃えろよペチカ

雪の降る夜は 楽しいペチカ
ペチカ燃えろよ 表は寒い
くりやくりやと 呼びますペチカ

雪の降る夜は 楽しいペチカ
ペチカ燃えろよ じき春来ます
今にやなぎも もえましょペチカ

雪の降る夜は 楽しいペチカ
ペチカ燃えろよ だれだか来ます
お客さまでしょ うれしいペチカ

雪の降る夜は 楽しいペチカ
ペチカ燃えろよ お話しましょ
火の粉ぱちぱち はねろよペチカ

「くりやくりや」とは?

『ペチカ』2番の歌詞に「くりや くりや」とあるが、これは満州で当時名物だった焼き栗売りの掛け声を表している。

焼き栗

「くりや」(栗や)の「や」は、人に呼び掛ける際に使われる間投助詞の「や」。移動販売のさおだけ屋が歌う「たけや さおだけ」の「たけや」と同じ用法。

北原白秋が1925年に発表した詩集「子供の村」では、白秋自筆による栗売りの挿絵が添えられている。

「やなぎも もえましょ」とは?

『ペチカ』3番の歌詞で「今にやなぎも もえましょ」とあるが、この「もえましょ」は「萌えましょ」、つまり「芽が出るでしょう」の意味。

今は雪の降る寒い冬だけど、今にヤナギの木も芽を出すでしょう、春の訪れはもうすぐだ、といった意味合い。

ちなみに、日本でよく見られる「枝垂れ柳(シダレヤナギ)」は中国原産。俳句ではヤナギは春の季語とされており、中国でもヤナギは「春を告げる木」として親しまれている。

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