こきりこ節 富山県民謡

マドのサンサはデデレコデン ハレのサンサもデデレコデン

『こきりこ節』は、富山県・五箇山(ごかやま)、上梨(かみなし)地方に伝わる古い日本の民謡。田植えや稲刈りの間に行われた日本の伝統芸能である田楽(でんがく)や田踊りとして発展した。

囃子言葉の「マドのサンサはデデレコデン ハレのサンサもデデレコデン」が特に有名。『越中おわら節』、『麦屋節(むぎやぶし)』と並び、富山県の三大民謡の一つとして親しまれている。

富山県 五箇山の合掌集落 (出典:Wikipedia)

こきりこ祭りでは、「しで踊り」と呼ばれる女性による奉納舞や、烏帽子に狩衣姿の男性が「ささら」を持って舞う「ささら踊り」などが唄に添えられる。

歌詞の意味は?「こきりこ」とは?

古い民謡だけあって、『こきりこ節』の歌詞には意味の分かりにくい難解な表現や単語が散見される。主なポイントについて簡単に解説してみたい。

まず、曲名にもある「こきりこ」とは、2本の竹を使った打楽器で、漢字では「筑子」または「小切子」などと表記される。

長さは歌詞にもあるように七寸五分(約23センチ)。あんまり長いと着物の袖にひっかかって「かなかい(邪魔)」となってしまう。

五箇山上梨集落・白山宮での『こきりこ節』ささら踊り/出典:五箇山彩時季

こきりこの由来は?

「こきりこ」の名前の由来としては、飛鳥時代に発布された大化の改新(たいかのかいしん)において、豊作祈願のために山伏(やまぶし)が詠んだ「コケラ経」が訛ったとの説があるようだ。

「コケラ経」は木片に書いたお経のことで、「こけら」とは木片を意味する。新築された劇場などで最初に行われる「こけら落し」の「こけら」も同様の意味。

窓のサンサ、ハレのサンサの意味は?

『こきりこ節』の歌詞における最大の謎とも言えるのが、「窓のサンサ」および「ハレのサンサ」が何を意味しているのかという点だろう。

一般的には、歌の調子・リズムを整えるための囃子言葉(はやしことば)として説明されるようだが、それだけで終わらせてしまっては若干物足りない気もする。

「サンサ」という言葉については、宮城県民謡『さんさ時雨(しぐれ)』、岩手県盛岡市の「盛岡さんさ踊り」などにも見られるが、こちらでも「さんさ」の意味は諸説入り乱れており、通説は定まっていないようだ。

仮に「サンサ」が囃子言葉や掛け声、擬音などだったとしても、「窓」や「ハレ」まで同様に解釈してしまってもよいものだろうか?「マド」は「間戸」か?「ハレの日」(ハレとケの概念)との関係は?更なる研究の深化が望まれる。

【試聴】こきりこ節

歌詞:こきりこ節

こきりこの竹は 七寸五分(しちすんごぶ)じゃ
長いは袖(そで)の かなかいじゃ
窓のサンサは デデレコデン
ハレのサンサも デデレコデン

向いの山を かづことすれば
荷縄(になわ)が切れて かづかれん
窓のサンサは デデレコデン
ハレのサンサも デデレコデン

向いの山に 鳴く鵯(ひよどり)は
鳴いては下がり 鳴いては上がり
朝草刈りの 眼をさます
朝草刈りの 眼をさます

踊りたか踊れ 泣く子をいくせ
ササラは窓の もとにある
烏帽子(えぼし)狩衣(かりぎぬ) ぬぎすてて
今は越路(こしじ)の 杣刀(そまがたな)

向いの山に 光るもん何じゃ
星か蛍か 黄金(こがね)の虫か
今来る嫁の 松明(たいまつ)ならば
差し上げて点(とも)しゃれ 優男(やさおとこ)

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