青葉城恋唄 歌詞の意味

仙台城(青葉城)周辺の風景を織り込んだ抒情歌

「広瀬川 流れる岸辺 想い出は帰らず」が歌いだしの『青葉城恋唄』(あおばじょうこいうた)は、宮城県仙台市の青葉城(仙台城)周辺の風景を織り込んだ日本の抒情歌・ご当地ソング

作詞:星間船一、作曲はシンガーソングライターのさとう宗幸。1978年(昭和53年)にさとうのメジャー・デビュー曲として発売された。

写真:青葉山公園の伊達政宗騎馬像(出典:Koji Haruna@flickr)

歌詞では、広瀬川、七夕まつり、青葉通りといった、仙台を象徴する地名や伝統行事が織り込まれている。歌詞の順番に一つずつ簡単にまとめてみた。

YouTube動画『青葉城恋唄』さとう宗幸

歌詞の意味

作詞:星間船一による『青葉城恋唄』歌詞を次のとおり引用して、その内容や言葉の意味などについて、簡単に補足してみたい。

1.
広瀬川流れる岸辺
想い出は帰らず
早瀬(はやせ)踊る光に
揺れていた君の瞳

季節(とき)はめぐり また夏が来て
あの日と同じ流れの岸
瀬音ゆかしき杜(もり)の都
あの人はもういない

2.
七夕の飾りは揺れて
想い出はかえらず
夜空輝く星に
願いをこめた君の囁き

時はめぐり また夏が来て
あの日と同じ七夕祭り
葉ずれさやけき杜の都
あの人はもういない

3.
青葉通り薫る葉緑
想い出は帰らず
樹かげこぼれる灯に
ぬれていた君の頬

時はめぐり また夏が来て
あの日と同じ通りの角
吹く風やさしき杜の都
あの人はもういない

時はめぐり また夏が来て
あの日と同じ流れの岸
瀬音ゆかしき杜の都
あの人はもういない

広瀬川 ひろせがわ

一番の歌詞で描写される「広瀬川(ひろせがわ)」は、仙台市を流れる名取川水系の一級河川。

両岸には自然が多く残され、初夏の鮎釣り、秋の芋煮会、仙台七夕花火祭や灯ろう流しなど祭り会場としても親しまれている。

写真:宮城県仙台市を流れる広瀬川(出典:Wikipedia)

「早瀬(はやせ)」とは、河床が急勾配をなして川の水が疾走するところ、水の流れのはやい所。

「ゆかしき」の意味について

『青葉城恋唄』のサビの歌詞に登場する「瀬音ゆかしき」はどんな意味なのか?該当する歌詞を次のとおり引用する。

時はめぐり また夏が来て
あの日と同じ 流れの岸
瀬音ゆかしき 杜の都(もりのみやこ)
あの人は もういない

<引用:青葉城恋唄 サビの歌詞より>

「瀬音(せおと)」とは、浅瀬を流れる川の音を意味する。

「ゆかしき」とは、古語「ゆかし」の活用形(連体形)で、ここでは「心が惹かれる、懐かしい」といった感情を表現する語句。

なお、「ゆかしき」には「見たい、聞きたい、知りたい」といった意味もある。

仙台七夕まつり

二番の歌詞で登場する「七夕祭り」とは、7月7日の七夕の月遅れである8月7日を中日として、8月6日から8日の3日間にわたって行われる。仙台市の七夕まつり。

織姫の織り糸を象徴する多数の「吹き流し」が象徴的で、市内各地至るところに大小数千本の飾り付けがなされ、街中が七夕一色になる。

写真:仙台七夕まつりの七夕飾り(出典:colocal)

杜の都 青葉通り

三番の歌詞冒頭で歌われる「青葉通り」とは、仙台駅西口から仙台城址(青葉城址)まで、仙台市都心部を貫くように伸びる大通り。

青葉通りはケヤキの街路樹に覆われており、『青葉城恋唄』サビの歌詞にある「杜の都(もりのみやこ)」を象徴する並木道となっている。

12月にはクリスマス・イルミネーション「SENDAI光のページェント」の装飾がケヤキ並木に施され、街中がクリスマスムード一色に包まれる。

写真:宮城県仙台市の青葉通り(出典:imachizu!)

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