朝だ元気で

朝だ 朝だよ 朝日がのぼる 空にまっ赤な 日がのぼる

「朝だ 朝だよ 朝日がのぼる」が歌い出しの『朝だ元気で』は、昭和16年(1941年)にラジオ放送で発表された国民歌謡。作詞:八十島 稔、作曲:飯田信夫。

戦後に歌詞が一部変更され、中学校の音楽教科書にも掲載された。

汽車ぽっぽ』などのように、戦前の歌が戦後に修正される例は少なくないが、この『朝だ元気で』については、他の曲と比べて修正の度合いが比較的小さいように思われる。

歌詞の具体的な変更点の例については後述する。

【試聴】歌詞つき動画『朝だ元気で』

一番の歌詞の修正点

現在歌われている『朝だ元気で』の歌詞と、昭和16年(1941年)発表当時の歌詞を比べてみたい。まず、一番の歌詞の前半を次のとおり引用し比較する。

■現在の歌詞:一番の前半

朝だ 朝だよ 朝日がのぼる
空にまっ赤な 日がのぼる
みんな元気で 元気で起きよ

■当初の歌詞:一番の前半

朝だ 朝だよ 朝陽がのぼる
燃ゆる大空 陽がのぼる
みんな元気で 元気で起(た)てよ

昔の歌詞から微妙に修正が加えられているが、内容が一変してしまうほどの大きな変更ではないように思われる。

続いて一番の歌詞の後半を次のとおり引用し比較してみよう。

■現在の歌詞:一番の後半

朝はこころも からりと晴れる
あなたも わたしも 君らも僕も
ひとり残らず 起きよ 朝だ

■当初の歌詞:一番の後半
朝は心も きりりとしめて
あなたもわたしも 君等も僕も
ひとり残らず そら起て朝だ

主な修正点は、「きりりとしめて」が「からりと晴れる」となったぐらいで、それほど大きな修正は入っていないのが分かる。当初の歌詞のままでも特に問題はなさそうだ。

二番の歌詞の修正点

『朝だ元気で』二番の歌詞の修正点は二か所だけ。「明るく起てよ(たてよ)」が「明るく起きよ」に、「そら起て」が「起きよ」に差し替えられているのみ。

三番の歌詞の修正点

三番の歌詞の大きな修正点は二点。「日本国中 陽がのぼる」が「まちに いなかに 日がのぼる」に、「朝はとどろく 興亜の鐘に」が「朝はうれしい みどりの空だ 」に差し替えられた。

「興亜(こうあ)」とは、アジア(亜細亜)諸国の勢力を盛んにすること。現代では保険会社の社名にもなった用語。日本を占領していたアメリカGHQにとっては、アジアの隆盛は看過できない言葉だったようだ。

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