Drink to Me Only with Thine Eyes
君が眼にて酒を汲めよ

古いイギリス歌曲

『Drink to me only with thine eyes』は、古いイギリス歌曲。『君が眼にて酒を汲めよ』の邦題もみられる。

歌詞は、シェイクスピアと同時代のイギリスの詩人ベン・ジョンソン(Ben Jonson/1572-1637)による詩「Song. To Celia」(シリアに寄せて)が用いられている。

メロディは、イギリスの作曲家ジョン・ウォール・コルコット(John Wall Callcott/1766–1821)が18世紀末頃に作曲した合唱曲から採られているという。

ちなみに、ピアノ教本として知られる「トンプソン現代ピアノ教本」では、同曲を『Song To Celia シリアに寄せて』のタイトルで教材としている。

鑑賞ポイント:憧れの異性への妄想・美化

『Drink to me only with thine eyes』の歌詞を鑑賞するにあたっては、まず、あなたが憧れを抱いている(抱いていた、または抱くほどの)異性を思い浮かべてみてほしい。

憧れとともに、その異性へ強い好意を抱いているが、その人はいわゆる「高嶺の花」で、立ち振る舞いも美しく、魅惑の瞳であなたの心を惑わす魔性すら持ち合わせているような存在。

その異性はあなたの中で完全に美化されており、その人の存在はあなたにとって甘美なる神の美酒。空のグラスへ口づければ、それはあなたにとってワイン以上のもの。切り花に吐息をかければ、その花は成長し、その人の香りを放つ。

男性詩人による詩なので、原詩では男性から女性への思いなのだが、女性から男性への歌と解釈しても、その想いの本質・尊さは何ら変わらないであろう。

【試聴】Laura Wright - Drink To Me Only With Thine Eyes

歌詞・日本語訳(意訳)

Drink to me only with thine eyes
And I will pledge with mine;
Or leave a kiss but in the cup,
And I'll not look for wine.

ただ君の眼差しにて酒を汲めよ
我も君に眼差しを捧げん
口づけ残る杯あれば
ワインさえいらない

The thirst that from the soul doth rise
Doth ask a drink divine:
But might I of Jove's nectar sup
I would not change for thine.

魂より出づる君への渇望
潤すは神々しき美酒
だがジュピターの神酒でさえ
君の杯には代えられない

I sent thee late a rosy wreath,
Not so much honouring thee
As giving it a hope that there
It could not withered be

君に贈りしバラの花輪
君への敬意というよりも
枯れることなかれと願いを込めて

But thou thereon didst only breathe
And sent'st it back to me:
Since, when it grows and smells, I swear,
Not of itself but thee.

だが君はバラに吐息を残し
バラを我に送り返す
成長したバラが放つ香りは
花のそれではなく 君の香り

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