タイプライター The Typewriter

ルロイ・アンダーソン(Leroy Anderson/1908-1975)

『The Typewriter(タイプライター)』は、アメリカの作曲家ルロイ・アンダーソンによる1950年の作品。

演奏の歳には実際のタイプライターが用意され、キーを打つ音が楽器として曲に組み込まれている。テレビ番組などで「忙しい仕事の場面」のBGMとしても使われる。

なお、エリック・サティ作曲のバレエ音楽「パラード」(1916年)でも、タイプライターが楽器として使用されているほか、アカデミー賞を7回受賞したアメリカのシンガーソングライター・女優のドリー・パートン(Dolly Rebecca Parton/1946-)歌唱による映画主題歌「9 to 5(9時から5時まで)」なども、打楽器としてタイプライターが曲中に登場する。
また、様々な楽器を使用する作曲家として知られるフランスのミュージシャン、ヤン・ティルセン(Yann Pierre Tiersen/1970-)も、タイプライターを打楽器として使用することがよくあるようだ。

【YouTube】The Typewriter タイプライター

【YouTube】タイプライター The Typewriter

タイプライターとキーボードの関係とは?

20世紀前半から半ばにかけて、文書作成に欠かせないツールとして欧米で普及したタイプライター。今ではパソコンの陰に隠れてその役割をほぼ完全に終えようとしているが、タイプライターが残した便利な機能や用法は、実はパソコンのキーボードの中に今でもしっかりと残されている。

最も大きな名残としては、手動式タイプライターの名残でキーボードのキーの位置が行ごとに少しずつずれている点や、キーボード配列として標準化された「QWERTY」配列などがある。

また、大文字を打つための「シフトキー SHIFT KEY」は、タイプライターのキャリッジ機構全体を物理的に上下にシフト(移動)させるための機構の名残。シフトキーに上向きの矢印が書かれているが、これがまさにタイプライターの名残。

QWERTY配列とは?

「QWERTY(クウォーティー)」配列とは、キーボードの英語の最上段の左から6文字がQ,W,E,R,T,Yの並び順から命名されたキーボード配列。1872年にクリストファー・レイサム・ショールズによって提案された。

この配列がどのような理由で決められたのかについては、現在も確定的な見解はないようだ。一説には、打鍵速度を落として故障を防止するため、タイプライターのセールスマンが顧客の前で「typewriter」という単語を早く簡単にタイピングするため、連続して打たれるキーを遠ざけて故障しにくくするため、などの諸説がある。

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