アメリカやヨーロッパでは、クリスマスシーズンになるとあちこちの劇場で上演されるバレエ「くるみ割り人形」。童話「くるみ割り人形と はつかねずみの王様」を原作とするバレエ作品で、日本で言うと年末のベートーヴェンの交響曲第9番(いわゆる「第九」)のような存在と言えるだろうか。
クリスマスの夜。広い大広間ではパーティーが行われ、少女クララは老人からくるみ割り人形をプレゼントされる。ところが、取り合いになり兄のフリッツが壊してしまったので、老人に修理してもらった。
お客様も帰り、夜みんなが寝静まった頃、クララは人形のベットに寝かせたくるみ割り人形を見に行った。ちょうど時計の針が12時を打つと、不思議なことに、クララの体は人形ほどの大きさになってしまう。
そこへはつかねずみの大群が押し寄せ、くるみ割り人形が指揮するおもちゃの兵隊と対峙する。最後はくるみ割り人形とはつかねずみの王様の一騎打ち。くるみ割り人形あわやというところで、クララがスリッパをはつかねずみの王様に投げつけ、はつかねずみたちは退散する。
倒れたくるみ割り人形は、凛々しい王子になっていた。王子はクララをお菓子の国に招待した。王子は女王(こんぺい糖の精)にクララを紹介し、歓迎の宴が繰り広げられるのだった・・・
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| 様々なくるみ割り人形/出典:Wikipedia |
くるみ割り人形とは、文字通りクルミの殻を砕く道具として用いる人形のこと。一般的にはクリスマス向けのデコレーションの一つとして飾られることが多い。
使い方は簡単。人形の口をパカっと開いてクルミを入れて、背中のレバーを使ってテコの原理でクルミの殻を砕くのだ。
くるみ割り人形の歴史は意外に古く、15世紀頃から既に存在していたとも言われている。兵士や騎士、王様の格好をしたものが定番で、クリスマスカラーの赤や緑が多く用いられるようだ。
くるみ割り人形の発祥はドイツ ザクセン州のザイフェン村 (Seiffen)。ザクセン州はドイツの東の端にあり、南はチェコ、東はポーランドと接している。
ドイツとチェコの国境線には有名なエルツ山地(Erzgebirge)が広がり、くるみ割り人形をはじめとする数多くの独特で精巧な木材芸術で有名。エルツ山地木材芸術博物館もこの地方にある。
バレエ「くるみ割り人形」の音楽は、ロシアの作曲家ピョートル・チャイコフスキーが作曲した組曲。
チャイコフスキーはこの頃、自作を指揮する演奏会を企画していた。しかし、あいにく手元に新作がなく、また作曲する暇もなかったので、急遽作曲中の「くるみ割り人形」から8曲を抜き出して演奏会用組曲とした。バレエの初演に先立ち、1892年3月19日初演された(写真:チャイコフスキー/出典:Wikipedia)。
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