夢やぶれて I Dreamed a Dream 歌詞の意味

ミュージカル映画「レ・ミゼラブル」劇中歌

『夢やぶれて』(I Dreamed a Dream/アイ・ドリームドゥ・ア・ドリーム)は、ミュージカル・映画「レ・ミゼラブル Les Miserables」の登場人物ファンティーヌが絶望の淵で歌う劇中歌。

「レ・ミゼラブル」関連曲の中でも特に知名度が高く、単独での演奏機会も多いほか、アレサ・フランクリン、ケルティック・ウーマン、スーザン・ボイルなど、国内外で数多くのアーティストが『夢やぶれて』をカバーしている。

BBCドラマ レ・ミゼラブル

写真:BBCドラマ レ・ミゼラブル(Amazon Prime Video)

2012年公開の映画版「レ・ミゼラブル」では、ファンティーヌを演じたアメリカの女優アン・ハサウェイ(Anne Jacqueline Hathaway/1982-)が同曲を歌い上げた。

【YouTube】Ruthie Henshall - I Dreamed A Dream

歌詞の意味・和訳(意訳)

『I Dreamed a Dream』

作曲:クロード=ミシェル・シェーンベルク

作詞(フランス語):アラン・ブーブリル(Alain Boublil)

英訳詞:ハーバート・クレッツマー(Herbert Kretzmer)

I dreamed a dream in times gone by
When hope was high and life worth living
I dreamed that love would never die
I dreamed that God would be forgiving

私は昔 夢を抱いていた
望みは高く 人生には生きる価値があった
愛は決して絶えないと夢見ていた
神はお許しになると夢見ていた

Then I was young and unafraid
And dreams were made and used and wasted
There was no ransom to be paid
No song unsung, no wine untasted

私は若く 恐れを知らなかった
抱いた夢は 利用され 潰された
それを取り戻そうともせず
歌という歌を歌い尽くし
あらゆるワインを飲み明かして過ごした

But the tigers come at night
With their voices soft as thunder
As they tear your hope apart
And they turn your dream to shame

でも夜に虎たちが来る
雷のような低いうなり声で
奴らは望みを引き裂き
夢を汚していく

He slept a summer by my side
He filled my days with endless wonder
He took my childhood in his stride
But he was gone when autumn came

彼はひと夏を私のそばで過ごした
彼との日々は驚きの連続だった
小娘の私を難なく扱いこなした
でも秋が来ると 彼は去っていった

And still I dream he'll come to me
That we'll live the years together
But there are dreams that cannot be
And there are storms we cannot weather

私はまだ彼が戻ってきて
一緒に暮らせると夢見てる
でもそれは叶わぬ夢
避け切れぬ嵐もある

I had a dream my life would be
So different from this hell I'm living
So different now from what it seemed
Now life has killed the dream I dreamed

私は夢見ていた
人生は変わるって
こんな地獄じゃなくて
こんな惨めな日々じゃなくて
もう終わってしまったの
私が夢見た夢は

歌の背景・意味

ミュージカル映画「レ・ミゼラブル」の登場人物ファンティーヌは、フランス北部の町モントルイユ=シュル=メール(Montreuil-sur-Mer)の工場で働いていた。

ファンティーヌには3歳になる娘コゼットがいたが、働きづめの彼女はコゼットをテナルディエ夫妻に里子に預けており、ファンティーヌは娘のために身を粉にして仕事をこなした。

娘のコゼットは、トゥールーズ出身のフェリックス・トロミエスとの間に生まれた初めての子供だった。可愛い子供と愛する男性に囲まれ、幸せな未来を夢見ていたフォンティーヌだったが、2年後に突然トロミエスが故郷へ帰ってしまった。

置き去りにされたファンティーヌは、残された娘コゼットのために懸命に働いたが、職場環境に恵まれず、結局工場を解雇されてしまった。娘に送るお金を作ろうと、自分の大事な長い髪と前歯まで売り払い、どうしようもなくなった彼女はついに夜の町へ身を落としてしまう。

絶望の淵でファンティーヌは、家族と共に過ごした幸せな数年間を思い出しながら、思い描いていた明るい未来と愛の日々への夢を、もはや叶うことのない夢を、切々と歌い上げるのだった…

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