中華人民共和国 国歌

中華人民共和国/People's Republic of China

中華人民共和国の国歌『義勇軍行進曲(進行曲)』は、1935年の中国映画「風雲児女」主題歌として作曲された楽曲。

文化大革命の最中においては、毛沢東を讃える『東方紅』が事実上の中国国歌として扱われた。

天安門広場

写真:天安門広場(出典:Wikipedia)

1982年12月の全国人民代表大会で現在の歌詞に戻された。2004年に中華人民共和国憲法が改正され、『義勇軍進行曲』が中華人民共和国の正式な国歌であることが明記された。

YouTube動画

歌詞の意味・和訳(意訳)

起来! 不愿做奴隶的人们!
把我们的血肉,筑成我们新的长城!
中华民族到了最危险的时候
毎个人被迫着发出最后的吼声

いざ立ち上がれ 隷属を望まぬ人々よ!
我等の血と肉をもって
我等の新しき長城を築かん
中華民族に迫り来る最大の危機
皆で危急の雄叫びをなさん

起来! 起来! 起来!
我们万众一心,
冒着敌人的炮火,前进!
冒着敌人的炮火,前进!
前进! 前进! 进!

起て!起て!起て!
万人が心を一つにし
敵の砲火に立ち向かうのだ!
敵の砲火に立ち向かうのだ!
進め!進め!進め!

国歌成立までの歴史

清国滅亡から中華人民共和国成立までの歴史を簡単に。

アヘン戦争(1840年)、日清戦争(1894年)などの結果、清国は欧州列強の草刈り場と化した。イギリスが長江流域を勢力圏に収め、九龍半島および威海衛を租借地とすると、ロシアは満洲からモンゴル・トルキスタンを勢力圏に、旅順と大連を租借地とした。

さらにフランスが広東省・広西省を勢力圏とし、広州湾を租借地とすると、ドイツが山東省を勢力圏に、青島(膠州湾)を租借地とした。諸国はそれぞれ海軍基地を築いて、東アジアへの拠点を「濡れ手に粟」的に次々と手に入れていった。

上の挿絵は、これらの欧州列強による勢力分割の様子を描いた有名な風刺画(出典:Wikipedia)。学校の教科書にも頻繁に掲載された。

挿絵の中では、左からイギリスドイツロシアフランス日本を表した人物が、CHINE(中国)と書かれたパイの分割を行っている。後列で手を挙げ困惑している人物は清国。

なお、この時期アメリカは内戦(南北戦争)による混乱で中国進出に出遅れている(参照:リパブリック賛歌 アメリカ19世紀の歴史)。

やがて辛亥革命が起こると、翌1912年1月1日には中国の南京で中華民国が樹立。清朝最後の皇帝(ラストエンペラー)、愛新覚羅 溥儀(あいしんかくら ふぎ)は2月12日に退位し、清朝276年の歴史は幕を閉じた。

中華民国成立

1912年1月1日、革命家の孫文を臨時大総統として成立した中華民国(Republic of China)。その国歌は、孫文の三民主義思想に基づき作詞された『中華民国国歌』。

三民主義とは、民族主義、民権主義、民生主義の3つから成り立つ思想であり、中国国民党の基本綱領として採用された。

この『中華民国国歌』は、中華人民共和国成立後の今日においては、台湾において国歌として歌われており、幼稚園児の頃から歌われる教育体制がとられ、テレビ放送などでも放送開始時にオーケストラ演奏による国歌が流される。

なお、オリンピックやワールドカップなどの国際試合では、中華人民共和国に配慮するため、国歌が演奏されるべき場面で、『中華民国国歌』の代わりに『国旗歌』が演奏されている。

台湾の中正紀念堂

写真:台湾の中正紀念堂(中正は蒋介石の本名/出典:Wikipedia)

中華人民共和国の国歌は抗日歌

1949年に中国共産党によって建国された社会主義国家、中華人民共和国。建国当初は暫定的な仮の国歌として、抗日映画「風雲児女」の主題歌である『義勇軍進行曲(行進曲)』の使用が人民会議で決定されたが、その後も結局正式な国歌は制定されず今日に至っている。

1966年から1976年まで続いた文化大革命の最中においては、作詞者の田漢が迫害され、『義勇軍進行曲(行進曲)』の歌詞は歌われなくなった(演奏のみ)。代わりに同時期には毛沢東を讃える『東方紅(とうほうこう)』が事実上の国歌となった。

中国人民解放軍

写真:中国人民解放軍(出典:Wikipedia)

学校や職場では『東方紅』が朝一番に必ず斉唱され、ラジオ放送では『東方紅』で始まり、革命歌『インターナショナル』で締めくくられる構成が日常となった。一説には、むしろ『インターナショナル』の方が第一国歌的な扱いを受けていたとの評価もあるようだ。

文化大革命の終結後(1978年)は『義勇軍進行曲(行進曲)』に新たな歌詞がつけられ、毛沢東や中国共産党を讃える政治色の強い国歌として数年間歌われた。

982年12月4日の第5期全国人民代表大会第5回総会において、田漢が作詞した歌詞が再び国歌として決定された。その後、2004年には中華人民共和国憲法が改正され、『義勇軍進行曲(行進曲)』が中国の正式な国歌であることが明記された。

関連ページ

中国の民謡・有名な歌謡曲
有名な中国の民謡・歌謡曲の解説とYouTube動画の視聴
世界の国歌 歌詞の意味・和訳
アメリカ、イギリス、フランス、ロシアなど、世界各国の国歌の歌詞と意味・和訳・YouTube動画まとめ