イパネマの娘 歌詞の意味・和訳 モデル

モデルの女性はイパネマ海岸の近くに住んでいた長身の美少女

『イパネマの娘』は、ブラジルの作曲家アントニオ・カルロス・ジョビン(Antonio Carlos Jobim/1927-1994)による1962年作曲のボサノバ(ボサノヴァ)

ポルトガル語の原曲名は『Garota de Ipanema』(ガロータ・ヂ・イパネマ)。英語版は『The Girl from Ipanema』(ザ・ガール・フロム・イパネマ)。

イパネマ海岸 リオデジャネイロ

写真:リオデジャネイロのイパネマ海岸(出典:Wikipedia)

「イパネマ」とは、ブラジルのリオデジャネイロにあるイパネマ海岸のこと。イパネマ海岸近くの酒場「ヴェローゾ(Veloso)」は、作曲者のジョビンや作詞者のモライスがよく訪れていたバーだった。

イパネマ海岸の近所に住む少女エロイーザ・ピニェイロ(Heloísa Pinheiro/1945-)は、母親のタバコを買いに、このバーによく来ていた。

彼女は当時10代後半で、170cmの長身でスタイル抜群、近所でも有名な美少女だった。美しい彼女が歩く姿を見て、女好きのジョビンとモライスはボサノバ『イパネマの娘』の着想を得たという。

下の写真は、2006年(61歳頃)に撮影されたエロイーザ・ピニェイロ。

エロイーザ・ピニェイロ Heloísa Pinheiro

写真:エロイーザ・ピニェイロ(2006年/出典:Wikipedia)

このページでは、『イパネマの娘』原曲の歌詞(ポルトガル語)と英語カバーの歌詞について、歌詞の意味・和訳を掲載する。

【YouTube】イパネマの娘 Garota de Ipanema

ポルトガル語の歌詞・和訳(意訳)

『Garota de Ipanema』

作詞:Vinícius de Moraes

作曲:Antônio Carlos Jobim

Olha que coisa mais linda
Mais cheia de graça
É ela menina
Que vem e que passa
Num doce balanço
A caminho do mar

見てごらん あの美しい人を
優雅さに満ち溢れてる
彼女が通り過ぎていく
体を甘く揺らしながら
海へ向かってる

Moça do corpo dourado
Do sol de lpanema
O seu balançado é mais que um poema
É a coisa mais linda que eu já vi passar

娘の体を黄金色に染める
イパネマの太陽
歩く姿は ポエムも超えて
今まで見た中で 最も美しい人

Ah, por que estou tão sozinho?
Ah, por que tudo é tão triste?
Ah, a beleza que existe
A beleza que não é só minha
Que também passa sozinha

ああ なぜ僕は一人なんだ?
ああ なぜすべてが悲しい?
ああ 目の前にいる美しき人
その美しさは僕だけのものじゃない
彼女も一人 通り過ぎていく

Ah, se ela soubesse
Que quando ela passa
O mundo inteirinho
Se enche de graça
E fica mais lindo
Por causa do amor

ああ 彼女が気づけばいいのに
彼女が通り過ぎれば
世界は優雅さに満たされ
より美しく輝く
愛によって

イパネマ海岸の写真

上空から見たイパネマ海岸

写真:上空から見たイパネマ海岸(出典:Wikipedia)

イパネマの海岸通り

写真:イパネマの海岸通り(出典:Wikipedia)

英語の歌詞・和訳(意訳)

『The Girl from Ipanema』

作詞:Vinícius de Moraes, Norman Gimbel (English lyrics)

【YouTube】英語版 The Girl from Ipanema

Tall and tan and young and lovely
The girl from Ipanema goes walking
And when she passes
Each one she passes goes "ah"

背が高く日焼けして
若くて可愛い
イパネマの娘が歩いて行く
彼女が通り過ぎると
誰もが「あぁ」と声を漏らす

When she walks, she’s like a samba
that swings so cool and sways so gently
That when she passes
Each one she passes goes "ooh"

彼女が歩けば それはサンバ
素敵に そして優しく揺れる
彼女が通り過ぎると
誰もが「おぉ」と声を漏らす

But I watch her so sadly
How can I tell her I love her
Yes it would give my heart gladly

でも僕は 彼女を見ると切なくなる
どうやって伝えよう 好きなことを
そうさ 僕は喜んで心を捧げるよ

But each day
When she walks to the sea
She looks straight ahead, not at me

でも 海へ歩いていく彼女は
いつも前をまっすぐ見てる
僕の方じゃなくて

Tall, and tan, and young, and lovely
the girl from Ipanema goes walking
And when she passes, I smiles
But she doesn’t see

背が高く日焼けして
若くて可愛い
イパネマの娘が歩いて行く
彼女が通り過ぎると
僕は微笑むけど
彼女は見ていない

<以下、繰り返しと原曲引用のため省略>

グラミー賞アルバム

『イパネマの娘』を収録した有名なアルバムとしては、1964年に発表された「ゲッツ/ジルベルト(Getz/Gilberto)』が世界的に有名。

「ゲッツ(Getz)」とは、アメリカのジャズ・サックス奏者スタン・ゲッツ(Stan Getz/1927-1991)。

「ジルベルト(Gilberto)」とは、ブラジルのボサノヴァ歌手ジョアン・ジルベルト(João Gilberto/1931–2019)。

ゲッツ/ジルベルト

ジャケット写真: ゲッツ/ジルベルト 50周年記念デラックス・エディション(SHM-CD)

『イパネマの娘』作曲者であるアントニオ・カルロス・ジョビンがピアノで参加し、ジョアン・ジルベルトの妻(当時)アストラッド・ジルベルトが2曲でボーカルをつとめた。

1964年のグラミー賞では、最優秀アルバム賞、最優秀エンジニア賞の2部門を受賞する大ヒット作となった。シングルカットされた『イパネマの娘』は最優秀レコード賞を受賞している。

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