幸せなら手をたたこう 歌詞は12番まで? 原曲は?

歌詞が長い!東京オリンピックの年に坂本九が歌った名曲

『幸せなら手をたたこう』は、1964年に坂本九の歌でヒットした日本の歌謡曲。原曲は、アメリカの童謡『If You're Happy and You Know it, Clap Your Hands』。

坂本 九(さかもと きゅう/1941-1985)は、『上を向いて歩こう』、『明日があるさ』、『見上げてごらん夜の星を』、『レット・キス(ジェンカ)』等の数々のヒット曲で知られる日本の人気歌手。

『幸せなら手をたたこう』がリリースされた1964年は、東京オリンピックが開催されていた年。この東京オリンピックを契機に、同曲は世界中に知られることとなった。

日本語カバー版の作詞者は、早稲田大学教授 (人間科学部・バイオエシックス担当) 木村利人(きむら・りひと)。16歳の時に富士見町教会で洗礼を受けたクリスチャン。

坂本九が歌う歌詞は6番までだが、木村氏による日本語歌詞は、なんと12番まである。

【YouTube】坂本九『幸せなら手をたたこう』

日本語の歌詞は12番まで!

12番まである日本語歌詞について、まず1番から3番までの歌詞を次のとおり引用したうえで、残りの歌詞について説明してみたい。

1.
幸せなら 手をたたこう
幸せなら 手をたたこう
幸せなら 態度でしめそうよ
ほら みんなで 手をたたこう

2.
幸せなら 足ならそう
幸せなら 足ならそう
幸せなら 態度でしめそうよ
ほら みんなで 足ならそう

3.
幸せなら 肩たたこう
幸せなら 肩たたこう
幸せなら 態度でしめそうよ
ほら みんなで 肩たたこう

4番以降の歌詞は、1番から3番までの歌詞と同じように、次のような歌詞に差し替えられて歌われる。

4番

幸せなら ほっぺたたこう

5番

幸せなら ウィンクしよう

6番

幸せなら 指ならそう

7番

幸せなら 泣きましょう

8番

幸せなら 笑いましょう

9番

幸せなら 手をつなごう

10番

幸せなら とび上がろう

11番

幸せなら 相づち打とう

12番

幸せなら 最初から

「最初から」って何?

12番の歌詞で「最初から」とあるのは、12番を歌い終わったら、最初に戻って1番からまた歌う、ということのように思われる。

12番も歌詞があるというだけで長いなぁと思うのに、さらに1番まで戻って繰り返し歌わせるとは、なかなか面白い仕掛けだ。

もしかしたら、この無限ループには、「幸せが終わることなく、いつまでも続きますように」という作詞者の願いが込められているのかもしれない。

英語版の歌詞・和訳(意訳)

英語版『If You're Happy and You Know it, Clap Your Hands』の歌詞は、一般的に4番まで。

【YouTube】If You're Happy and You Know it!!

英語版の歌詞は、一体どのような内容なのだろうか?次のとおり引用して、簡単に和訳(意訳)してみたい。

なお、ここで紹介している歌詞以外にも様々な替え歌が存在する。

1,
If you're happy and you know it
Clap your hands (Clap, Clap)
If you're happy and you know it,
Clap your hands (Clap, Clap)

If you're happy and you know it,
And you really want to show it*,
If you're happy and you know it,
Clap your hands (Clap, Clap).

幸せなら手をたたこう
幸せなら手をたたこう

本当に幸せを表現したいなら
幸せなら手をたたこう

2.
If you're happy and you know it
Stomp your feet (Stomp, Stomp)
If you're happy and you know it,
Stomp your feet (Stomp, Stomp)

If you're happy and you know it,
And you really want to show it,
If you're happy and you know it,
Stomp your feet (Stomp, Stomp)

幸せなら足ならそう(地面を踏みつけよう)
幸せなら足ならそう

本当に幸せを表現したいなら
幸せなら足ならそう

3.
If you're happy and you know it
Shout 'hurray'! (Shout 'Hur-ray!')
If you're happy and you know it,
Shout 'hurray'! (Shout 'Hur-ray!')

If you're happy and you know it,
And you really want to show it,
If you're happy and you know it,
Shout 'hurray'! (Shout 'Hur-ray!')

幸せなら「フレー!」と叫ぼう
幸せなら「フレー!」と叫ぼう

本当に幸せを表現したいなら
幸せなら「フレー!」と叫ぼう

4.
If you're happy and you know it,
Do all three
(Clap, Clap, Stomp, Stomp, 'Hur-ray!')
If you're happy and you know it,
Do all three
(Clap, Clap, Stomp, Stomp, 'Hur-ray!')

If you're happy and you know it,
And you really want to show it,
If you're happy and you know it,
Do all three (Clap, Clap, Stomp, Stomp, 'Hur-ray!')

幸せなら3つ全部やろう
幸せなら3つ全部やろう

本当に幸せを表現したいなら
幸せなら3つ全部やろう

ルーツはスペイン民謡?それともソ連映画?

『幸せなら手をたたこう』のルーツについては、木村氏が唱えるスペイン民謡説と、ソ連映画のサントラ説の二つが存在する。

スペイン民謡説についてはこのページで後述する。ソ連映画のサントラ説については、こちらのページ「ソ連映画「ヴォルガ・ヴォルガ」と『幸せなら手をたたこう』曲のルーツ」で詳しく解説しているので、ご興味のある方は是非お立ち寄りいただきたい。

フィリピンで耳にしたスペイン民謡?

作詞者の木村氏は、早稲田大学在学中にキリスト教学生ボランティア運動に没頭していた。ある時、日本のYMCAを代表して、フィリピン農村でのワークキャンプに参加する機会があった。

フィリピンは、16世紀にマゼラン率いるスペイン船団が上陸してから、1898年の米西戦争でアメリカに奪われるまでの間、スペインの植民地支配が続いていた。

木村氏が宿泊していた合宿所の小学校の校庭では、村の子どもたちが古いスペイン民謡を歌っており、それを木村氏も耳にしていた。

ワークキャンプを終え、日本への帰途へ着くフランス貨物船の中で、木村氏はそのスペイン民謡のメロディーに詩をつけた。こうして、今日知られる『幸せなら手をたたこう』が生まれた。

歌詞を選ぶにあたっては、クリスチャンである木村氏らしく、旧約聖書の詩編47・1「すべての民よ、手を打ち鳴らせ」に着想を得た部分もあるようだ。

スペイン民謡説と映画サントラ説は矛盾しない?

このスペイン民謡説と、上述の映画サントラ説は一見矛盾するようにも見えるが、両説が併存できるような(ある程度)筋の通った解釈ができる。

詳しくは、こちらのページ「ソ連映画「ヴォルガ・ヴォルガ」と『幸せなら手をたたこう』曲のルーツ」の解説をご参照いただきたい。

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