

(写真)黄色いリボンをオークに巻きつけるPenne and Bruce Laingen : Photo by Greg Jenkins. copyright (c) American Folklife Center, The Liberty of Congress
「黄色いリボン」は、元々はアメリカ合衆国における伝統(歴史は浅い?)といわれています。イラク戦争、湾岸戦争時においては、戦場に赴いていった愛する家族の無事の生還を祈って、玄関やベランダなどに、黄色いリボンを飾る家が数多く見られたといいます。
アメリカにおけるこうした習慣がアメリカ中に広まったのは、1979年のテヘラン米大使館占拠・人質事件において、人質となった夫の無事の生還を祈って、oak tree(オーク)の幹に黄色いリボンを巻きつけているMrs.Laingenの姿がアメリカのニュース番組で報道されたことが大きなきっかけの一つであると言われています。
Mrs.Laingenによれば、彼女がオークの幹に黄色いリボンを巻きつけたのは、ある2つの出来事が大きく影響しており、その「ある出来事」の一つは、次に述べるある政治スキャンダルと大きく関連するようなのです。
Mrs.Laingenに影響を与えた「ある出来事」とは、1972年の大統領選挙中にニクソン陣営がワシントンDCのウォーターゲートにある民主党本部に盗聴器を仕掛けたことが発覚して巻き起こった政治スキャンダルである「ウォーターゲート事件」です。
この事件において、選挙運動本部長として当該事件に関与したとされ逮捕・投獄されたJeb Stuart Magruder(ジェブ・スチュアート・マグルーダー)という人物がいます。彼の妻であるGail Magruderは、彼女のポーチに黄色いリボンを巻きつけ、監獄からの夫の帰りを待っていました。この姿は、アメリカのイブニングニュースで1975年1月に報道されています。
このニュース番組を見ていた視聴者の一人に、あのMrs.Laingenがいたのです。もちろん当時はMrs.Laingenはその4年後に自分が黄色いリボン絡みで有名になろうとは思いもしなかったでしょう。
ここでよく考えると、Mrs.Laingenが見ていたニュースでは黄色いリボンがつけられたのは「ポーチ」だったのに、Mrs.Laingenはなぜ「オークの木」の幹に黄色いリボンをつけたのでしょうか?木の幹にくくりつけるためには、かなりの大きさと長さのリボンが必要ですから、単なる思い付きではなかなかそこまで大げさなパフォーマンスをやろうとは思わないでしょう。
実は、彼女があんなに大きなリボンを木の幹にくくりつける気になったのは、1973年にアメリカで大ヒットを記録したある歌が彼女に大きな影響を与えていたからなのです。歌の中身を良く見るとシチュエーションは若干異なるのですが、タイトルはズバリそのものです。