
前ページに引き続き、「リパブリック讃歌」のメロディーにまつわるエピソードとして、「エルズワースの身体(亡骸)(ELLSWORTH'S BODY)」という曲をご紹介します。
これは「ジョン・ブラウンの身体(John Brown's Body)とほとんど同じ歌詞で同じメロディーなのですが、肝心の「ジョン・ブラウン」の部分の歌詞が「エルズワース(ELLSWORTH)」という他の人物の名前に変えられています。
その他の部分はほとんど「ジョン・ブラウンの身体」と似たような歌詞がつけられているようなので、おそらくこちらの「エルズワースの身体」の方が後発であると思われますが、このエルズ・ワースという人物は一体何者なのでしょうか?
この「エルズワース」とは、1861年4月に南北戦争が始まってから初めての指揮官レベルの戦死者として北軍の間である意味「神格化」されているE・E・エルズワース大佐(Colonel
Ephraim Elmer Ellsworth)(右図)という人物です。
亡くなったのは1861年5月24日のことで、占領した地区のホテルに掲げられていた南軍の旗をとって北軍の旗に置き換えようとしていた時にそのホテルの主人に発砲されて即死しています。
彼はリンカーン大統領とも非常に仲がよく、彼の身体は国葬レベルで扱われ、丁重に弔われました。エルズワース大佐について詳しく書こうとするとさらに5・6ページ増えてしまうので、今回の特集ではこの辺のイントロにとどめておきたいと思います。
前のページの「ジョン・ブラウンの身体(亡骸)(JohnBrown's Body)」の歌詞と比べてみてもらえば分かるとおり、ほとんどその「ジョン・ブラウンの身体」の歌詞がそのまま転用されていることが分かります。変わっているところといえば下の歌詞の太字の部分ぐらいなもので、途中の部分を聞いただけでは誰の歌なのかすぐには区別できない状態です。
ジョン・ブラウンもエルズワース(右図)もどちらもその死によって神格化・伝説化されていった人物であり、ちょうどエルズワース大佐がなくなった時に流行していた「ジョン・ブラウンの身体」の曲に便乗する形で、その替え歌の非常に楽な点も幸いして、エルズワース大佐のための新たな曲が瞬時に完成したということだと思われます。
別な観点からすれば、エルズワース大佐の死が北軍兵士らにとって大きなショックであり、2年以上前のジョン・ブラウンの事が霞んで消し飛んでしまうぐらいの大事件だったという事実をこの替え歌は示しているのかも知れません。

Ellsworth's body lies mouldering in the dust,
Ellsworth's body lies mouldering in the dust,
Ellsworth's body lies mouldering in the dust,
As we go marching on.
Corus
Glory, glory, hallelujah!
Glory, glory, hallelujah!
Glory, glory, hallelujah!
As we go marching on.
He's gone to be a soldier in the army of the Lord,
He's gone to be a soldier in the army of the Lord,
He's gone to be a soldier in the army of the Lord,
His soul is marching on.
Ellsworth's knapsack is strapped upon his back,
Ellsworth's knapsack is strapped upon his back,
Ellsworth's knapsack is strapped upon his back,
As we go marching on
We'll hang Jeff Davis on a sour apple tree,
We'll hang Jeff Davis on a sour apple tree,
We'll hang Jeff Davis on a sour apple tree,
As we go marching on.
His pet lambs will meet him on the way,
His pet lambs will meet him on the way,
His pet lambs will meet him on the way,
As we go marching on.
The Fire Zouaves are marching on their way.
The Fire Zouaves are marching on their way,
The Fire Zouaves are marching on their way,
For Ellsworth's death to avenge
Now three rousing cheers for the Union,
Now three rousing cheers for the Union,
Now three rousing cheers for the Union,
As we go marching on
「ジョン・ブラウンの身体(亡骸)」は、この「エルズワースの身体(亡骸)」以外にも様々な歌詞で歌われていたようです。次のページでは、「グローリー・ハレルヤ」と題された当時の印刷物から別バージョンの歌詞を更に読み取っていきたいと思います。