アメージンググレース メロディ・歌詞のルーツ

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「New Britain」のメロディーのルーツは?

 「New Britain」のメロディーの源流がどこの国で生まれたメロディーなのかについては諸説ありますが、スコットランド民謡の典型として知られるペンタトニック・スケール(pentatonic scale)に基づいてメロディーが構成されていることから、古いスコットランド民謡ではないかという研究者がいるようです。

 ペンタトニック・スケール(pentatonic scale)とは、別名5音音階とも言い、1オクターブの間に音程が5つしかないスケールの総称です。「ペンタ」はギリシャ語で数字の「5」を表し、5角形をしたアメリカ国防総省ペンタゴンの「ペンタ」もここから来ています。スコットランド民謡の他、沖縄民謡もこのペンタトニック・スケールに基づいて構成されています。スコットランド民謡「蛍の光」などは、典型的なペンタトニック・スケールに則ったメロディーと言えます。

●関連ページ: ソングブック「蛍の光(Auld Lang Syne)」歌詞と解説 MIDI

 ちなみに、このペンタトニック・スケールに対応する音階として、日本では「ヨナ抜き音階」があります。明治時代にヨーロッパから新しい七音階が導入されたとき、その七音階にはそれぞれ「ヒフミヨイムナ」というカタカナが当てはめられ、その第4音の「ヨ」と第7音の「ナ」にあたる音を抜いて作られたのが「ヨナ抜き音階」と呼ばれる音階です。西洋の音階になかなか馴染めなかった当時の日本人にも受け入れられやすい音階として、数多くの民謡・童謡に採用されています。

メロディーは本当にスコットランド生まれ?

 現時点では、「New Britain」が発表された以前のスコットランド民謡に関する資料の中に、「New Britain」のメロディーの源流らしきメロディーは見つかっていないようなので、スコットランド民謡であるという説はまだ裏付けられていない状態です。

 アメリカは移民の国ですから、もしかしたらスコットランド系の移民がアメリカで作曲したのかも知れませんし、他の国の人がスコットランド民謡の音階を用いて新たに作曲したという可能性も考えられますが、真s相は闇の中です。

 なお、曲と歌詞をセットで捉えた場合、一体どこの国の民謡なのでしょうか?

今日知られる歌詞とメロディーが確定的に固定された状態で広まった最初の国はアメリカであり、それらが定着してから最も長い時間が経過している国であることを考えれば、今日知られる「アメージンググレース」はアメリカ民謡と捉えて問題はないと思われます。「黒人霊歌」としての側面もありますが、それに限られるものでもありませんので、より広く「民謡」として把握するのが実態に合っているのではないでしょうか。

これからも愛され続けるアメージンググレース

 22歳の時の奇跡的な体験を基に、その後牧師になったジョンニュートンが過去を振り返りながら30年後のイギリスで記した6節の賛美歌は、その後アメリカに渡り、様々なメロディー達と出会い、今日の姿に定着していきました。その神秘的な旋律と深みのある詩は世界中の人々に感動を与え、魂の救いとなってきました。

 アメージンググレースは、黒人霊歌や賛美歌、クラシック、ポップス等、様々な形でそれぞれの時代に合った姿にアレンジされながら、これからも国や地域を超えて世界中の多くの人々に末永く愛され続けることでしょう。

 

ドナドナ研究室No.012 『アメージンググレース 後編』 完

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